「勃起力やダイエットへの効果も……」アンジー乳房切除手術で見えてきた、遺伝子ビジネスの未来

日刊サイゾー / 2013年6月2日 12時0分

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 人気女優のアンジェリーナ・ジョリーが乳房切除手術を受けていた話が、意外な方向で注目を浴びている。

「彼女が行った遺伝子検査は、がんの発見だけでなく、勃起力が衰える年齢も分かるという試験データがあって、研究機関には多くの企業や男性から問い合わせが殺到したそうです」

 こう話すのは、遺伝子研究をしている医師の安部寛氏。

「日本と違ってアメリカは遺伝子検査が進んでいて、あらゆることを診断しているんです。例えば、あまり知られていないことですが、加齢による精子の劣化があって、これは実は女性の卵子より衰えが激しいんです。当然、人によって劣化する年齢が違うわけですが、遺伝子検査の進歩でこれが分かれば、不妊治療の方面でも画期的な話になります」

 アンジーは遺伝子検査の結果、87%の確率で乳がんになると医師に診断され、その予防のため切除。また、50%の確率で卵巣がんになることも明らかになったという。アメリカでは、この遺伝子検査の精度が高いとされ、受診者を増やしており「例えば、生まれてくる子どもがダウン症になる確率が、妊娠していない段階から分かったりするので、研究者の中には“いずれは、おおよその寿命まで分かる”と断言する人もいるほど」と安部氏。

 ただ、日本の医学界は遺伝子検査についてはかなり慎重で、アンジーの手術にも否定的な見解を出す医師が多い。それでも、安部氏は「勃起力診断が可能なら受診したい男性は急増するはずで、もうひとつ決定的なのがダイエットとのリンク」と話す。

「アメリカでは遺伝子検査をもとに、それぞれの患者に適したダイエット法を伝授するという医師が増えていて、生活習慣の改善に役立っている」(安部氏)

 勃起力やダイエットへの効果がハッキリするとなれば、それこそ人々のライフスタイルにも大きな影響を与えることになり、遺伝子検査への待望論も高まるというのが安部氏の予測だ。

「少子化の今、子どもを産むことに関わる遺伝子検査については、モラル的にどうか議論の余地がたくさんあるので、煮詰めていくのはこれからですが、検査の受診者が増えることは医学界にとっても悪い話ではない。賛同者が増えていくと思いますよ」と安部氏。

 アンジーの乳房切除については、その手のビジネスを推進したい企業がバックについているというウワサもあるが、有名女優ならずとも、気になる話だ。
(文=鈴木雅久)

日刊サイゾー

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