神様相手にひとり相撲!? 日本の“ヘンな島”を訪ねる『珍島巡礼』

日刊サイゾー / 2013年7月21日 16時0分

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 島国、ニッポン! 
 
 この国には、一体どれぐらいの数の島があるのだろうか? 大きく見れば日本全部が島なのだが、それはさておき、海上保安庁の島の定義を元に数えてみると、なんと6,429の無人島と418の有人島が点在している。

 『珍島巡礼』(イカロス出版)は、この膨大な数の島々からディープな島を厳選した読み物であり、ガイドブックのような一冊だ。島に古くから伝わる、とんでもない伝統行事が行われている島、アクセスが超不便でなかなか行けない島、近代史が見えてくる歴史のある島など、観光スポット紹介というよりは、島の歴史や文化に迫っている。

 個人的にかなり気になったのは、愛媛県大三島で600年続く、神様を相手に相撲を取る「一人角力(ひとりずもう)」という神事。パッと見は“エア相撲”なのだが、実は稲の精霊と戦っている。押したり引いたり、土俵際でギリギリ耐えたりする迫真の演技、いや、真剣な勝負が写真で細かく紹介されているのだが、この大真面目感がかえっておかしい。ちなみに3本勝負で、1勝1敗5分の末、最後の大一番で神様が勝利する。力士は役場の職員で、仕事の後にちゃんと練習しているらしい。

 また、長崎県の福江島では1月の第3日曜に「ヘトマト」と呼ばれる珍祭があり、これが本当に珍行事のオンパレード。神社境内で奉納相撲を行い、鉦(しょう)と呼ばれる打楽器を打ち鳴らし町内を練り歩くところまでは厳かな雰囲気なのだが、ここからが奇祭モード全開。まず、晴れ着姿の新婚の女性2人が酒樽の上に乗り、“羽付き”を行い、次に身体に「ヘグラ」と呼ばれるすすを塗り付けた若者がわらで編んだ玉を激しく奪い合う「玉蹴り」、青年団と消防団に別れて豊作と大漁を占う「綱引き」と続き、最後に重さ300~400キロの「大草履」が登場し、神社へ奉納する。その途中、見物客の中から未婚の女性を次々と捕えてはその上に乗せ、何度も胴上げを行う。

 分刻みで意味のわからないナゾ多き行事は続いていくので、総監督兼世話役は一日中大忙し。どうやら、もともとは別々にやっていた行事を一日に無理やりまとめたらしいが、起源も語源も一切不明で、ナゾに包まれているという。

 本書にはこのほかにも、水道も航路もなく、現代とは思えぬ暮らしぶりの島やキリシタンの悲劇が伝わる島、映画・ドラマの舞台になった島、東京湾沿岸の人口島カタログなど、さまざまな角度から島が紹介されていて、島情報が盛りだくさん。

 本州だけが日本じゃない! この本を手に、まだ見ぬディープな日本の島へ出かけてみては!?
(文=上浦未来)

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