ツッコミどころ満載!? 自由すぎるハリウッド版忠臣蔵『47RONIN』

日刊サイゾー / 2013年12月6日 18時0分

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 今週注目の最新映画はなんといっても、自由すぎるハリウッド版忠臣蔵、キアヌ・リーブス主演の『47RONIN』(12月6日公開、2D/3D上映)がユニークさの点でダントツだろう。5代将軍徳川綱吉の時代、赤穂の領主・浅野(田中泯)は、吉良(浅野忠信)と妖術使い・ミヅキ(菊地凛子)の奸計(かんけい)により刃傷沙汰を犯し、切腹。藩士の大石(真田広之)らは侍の身分を奪われ、浪人となる。幼少のころ山麓で拾われ、浅野の娘ミカ(柴咲コウ)と心を通わせて成長したカイ(リーブス)は、大石に請われ、主君の仇討ちに決起した浪人衆と合流。わずか47人で、圧倒的な吉良軍勢に立ち向かう。

 有名な赤穂浪士討ち入り事件の経緯をゆるやかになぞりつつも、巨大な幻獣が暴走し、妖術が駆使され、天狗も登場したりと、相当に自由な発想で組み立てられたストーリー。長崎の出島で奴隷として地下格闘試合に出場していたカイの脱出劇は『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのようだし、最新CGを駆使したクライマックスのバトルは、キアヌ・リーブスが主役ということもあり『マトリックス』シリーズで描かれた仮想世界のひとつかと錯覚するほど。伝統的な仇討ちの物語に、ファンタジー要素を加味して壮大に構築した“ネオ時代劇”といえるかもしれない。なぜか中国風の城郭や衣装、髪型も含め、奇天烈な世界観や細部にツッコミを入れながら,楽しく鑑賞したい。

 続いて12月7日に封切られる、市川海老蔵主演の『利休にたずねよ』も、また異なるアプローチの新たな時代劇といえそうだ。豊臣秀吉(大森南朋)に疎まれ切腹を命じられた、希代の茶人・利休(海老蔵)。死に向かう朝、妻(中谷美紀)の言葉で、秘めた過去の記憶を蘇らせる。若い頃、色街に入り浸っていた利休は、高麗からさらわれてきた女と出会う。その気品と美しさに心を奪われ、別れを目前に控えた夜、ある事件を引き起こす。

 第140回直木賞を受賞した山本兼一の同名小説を、『火天の城』の田中光敏監督が映画化。さすがは歌舞伎俳優と思わせる海老蔵の美しい所作、絢爛豪華な美術と衣装、そして名品・逸品揃いの茶器の数々が、クリアで瑞々しい映像によって空気感や質感までしっかりと再現された。今年2月に他界した市川團十郎と海老蔵の親子共演をはじめ、伊勢谷友介、成海璃子、檀れい、柄本明、伊武雅刀ほか、名だたる共演陣のぜいたくな起用も見どころだ。こちらは日本の伝統的な美意識や価値観を、現代的な視点から真摯に見つめ直した作品として堪能したい。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『47RONIN』作品情報
http://eiga.com/movie/56095/>

『利休にたずねよ』作品情報
http://eiga.com/movie/77761/>

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