もう“ビッグ”でも“名門”でもない……日本代表MF本田圭佑が移籍する「ACミラン」の今

日刊サイゾー / 2013年12月17日 16時0分

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 12月末でCSKAモスクワ(ロシア)との契約が満了する、日本代表MF本田圭佑のACミラン(イタリア)入団が正式に発表された。背番号は、イタリアではファンタジスタでエースを意味する“10番”。3年半の契約期間で、年俸は約7億7,000万円。まさに破格ともいえる待遇だ。ここ数年来、“エア移籍”を繰り返してきた本田だが、ようやくビッグクラブへの移籍を果たした格好だ。

「年俸についてはスポーツ紙の報道なのですが、この金額は税込みの年俸額。実際の手取り額は4億5,000万円ほど。通常、海外サッカー界の年俸は税抜き金額で報じるものなのですが、あえて税込み額で多く思わせるように報じたのは“ご祝儀報道”なのでしょうか(笑)。クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード=スペイン)など、世界のトップクラスは20億円前後の超高給取りですが、4億5,000万円の年俸だって相当なもの。ヨーロッパでプレーする日本人選手の中では、香川真司(マンチェスター・ユナイテッド=イングランド)などと並んでトップクラスの年俸ですよ」(サッカー誌編集者)

 世界でも有数の名門クラブのミランがここまで本田を厚遇するからには、その期待の大きさがうかがえる。だが、ヨーロッパのサッカー界の実情を知る者にとっては、少々見方が異なるようだ。

「確かにミランが本田に寄せる期待は大きいのでしょうが、実は現在のミランはかつてのように“ビッグ”でも“名門”でもないのです。ミランの属するイタリアリーグ、セリアAは地盤沈下が進んでおり、80~90年代は世界のトップリーグでしたが、現在はイングランド、スペインはおろか、ドイツの後塵を拝しているのが実情です。さらにミランは過去の放漫経営がたたり、借金まみれ。かつてのように、世界のトップ選手をより取り見取り、というわけにはいかないのです。そこで白羽の矢が立ったのが、移籍金ゼロというローコストで獲得できる本田だったわけです」(同)

 加えて、資金難のミランを直撃しているのがファイナンシャル・フェアプレー(FFP)制度。クラブの決算収支をイーブンにしようというものだが、現時点では段階的に適用されており、2014-15シーズンの審査(審査対象は2011-12、12-13、13-14の3シーズン)は累積赤字が4,500万ユーロまでは認められる。だが、それ以上の赤字超過だと、チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグなど、カップ戦への出場資格を失うというペナルティが生じる。

「イタリアの多くのチームは会長のポケットマネーで賄われてきたこともあり、クラブの財政はドンブリ勘定でした。ミランも同様で、元伊首相のシルビオ・ベルルスコーニ会長の潤沢な財力によって、収支を度外視した選手獲得を行ってきました。しかし、FFPが導入されると、会長の私財投入が認められなくなるのです。そこでミランは収支の帳尻を合わせるべく、ここ数年来、高年俸の主力やベテラン選手を放出してきたのです。エースだったスウェーデン代表のズラタン・イブラヒモビッチ、守りの要だったブラジル代表のチアゴ・シウバなどはパリ・サンジェルマン(フランス)に放出されてしまいました。世界でもトップクラスだった主力選手を失ったミランは、大幅に戦力が低下。現在、リーグの順位も10位あたりをうろついているという凋落ぶりです。戦力を補強しようにも、先立つものがないという状況なのです。間違いなくいえるのは、かつてのミランだったら本田など獲得しなかっただろう、ということ。まあ、それだけに本田の活躍する余地は十分あるということでもあるのですが」(同)

 1月から晴れて、ミランの一員としてセリエAに初参戦する本田だが、ここでレギュラー獲得に失敗すれば、来年6月から開催されるブラジルW杯にも支障を来しかねない。新天地でのプレーに注目が集まる。

日刊サイゾー

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