お笑い評論家・ラリー遠田の『2013年お笑い総決算!』【賞レース編】

日刊サイゾー / 2013年12月31日 11時0分

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 2013年のお笑い界をさまざまな観点から振り返っていきたい。まずは2013年のお笑い賞レース戦線についてまとめてみよう。この1年に行われた、主なお笑い賞レースの結果を以下に列挙する。

【1月】『ABCお笑いグランプリ』優勝:ジャルジャル

【2月】『R-1ぐらんぷり』優勝:三浦マイルド

【3月】『NHK上方漫才コンテスト』優勝:ウーマンラッシュアワー
『オンバト+』チャンピオン大会 優勝:トレンディエンジェル

【4月】『上方漫才大賞』大賞:千鳥、奨励賞:テンダラー、新人賞:プリマ旦那

【7月】『お笑いハーベスト大賞』優勝:夜ふかしの会

【9月】『キングオブコント』優勝:かもめんたる

【10月】『NHK新人演芸大賞』大賞:学天即(演芸部門)、鈴々舎馬るこ(落語部門)

【11月】『MBS漫才アワード』優勝:吉田たち

【12月】『THE MANZAI』優勝:ウーマンラッシュアワー

 最初に目につくのが、『NHK上方漫才コンテスト』『THE MANZAI』の2冠を達成したウーマンラッシュアワー。『THE MANZAI』では、予選1位通過を果たし優勝候補の筆頭と言われていた彼らが、見事に期待に応えた。それぞれの個性を生かしたハイスピード漫才で圧倒的な力を見せつけて、千鳥、NON STYLEの猛追を振り切って優勝を果たした。

 ウーマンラッシュアワーの村本大輔は、平気でファンに手を出す「ゲス芸人」キャラが認められ、バラエティでも活躍中。『THE MANZAI』優勝をきっかけに、2014年はさらなる飛躍が期待できそうだ。

 ただ、ウーマンラッシュアワー以外の賞レース覇者の顔ぶれを見ると、例年よりも地味な感じは否めない。例えば、昨年(2012年)は『R-1ぐらんぷり』優勝のCOWCOWの多田健二、『NHK新人演芸大賞』優勝のうしろシティ、『キングオブコント』優勝のバイきんぐなどが、その後も活躍して売れっ子になった。

 だが、今年それなりにテレビに出ている印象があるのは、『上方漫才大賞』の千鳥と『キングオブコント』優勝のかもめんたるだけ。それ以外の芸人はまだまだこれからが勝負といったところ。たとえ激戦を勝ち抜いて賞レースを制しても、そこはまだスタート地点に過ぎない。本当の戦いはそこから始まるのだ。

 昨年の例で言えば、COWCOW多田には「あたりまえ体操」という強力な持ちネタがあり、バイきんぐの小峠英二には「なんて日だ!」というキャッチーなフレーズがあった。ネタを磨いて賞レースを制してからは、ネタ以外の部分で自分たちの魅力をアピールしていく必要があるということだろう。

 また、お笑い賞レースという枠には当てはまらないが、今年最も人気があった芸人は誰なのかを示すデータも存在している。オリコンの「2013年ブレイク芸人ランキング」では、大久保佳代子(オアシズ)が1位。ニホンモニターの「2013年テレビ番組出演本数ランキング」では設楽統(バナナマン)が1位に輝いた。

 今年はキンタロー。、やしろ優をはじめとして数多くの女性芸人が活躍していたが、大久保の勢いは群を抜いていた。下ネタやセクハラを堂々と自分の武器にしたことで、同世代の女性を中心に熱狂的な支持を得た。

 設楽は、「テレビ番組出演本数ランキング」で昨年に続いて2年連続の1位。有吉弘行、後藤輝基などの新世代MC芸人が台頭する中でも、帯番組を持っている設楽の安定感が秀でていた。今年は、帝王・設楽に、女帝・大久保がどれだけ迫ることができるのだろうか?
(文=お笑い評論家・ラリー遠田)

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