JR北海道の“ドン”坂本真一氏自殺で、どうなる巨大利権「北海道新幹線」計画の未来

日刊サイゾー / 2014年1月20日 19時0分

 JR北海道の“ドン”自殺で社内は騒然となっている。関係者間では悲しみをよそに「北海道新幹線の計画が頓挫してしまう」という動揺が広がっている。

 15日の朝、北海道余市町の港内で男性の遺体が浮いているのが見つかった。北海道警察は男性を、元JR北海道社長の坂本真一相談役だと特定。目立った外傷がないことから自殺とみている。直前、坂本相談役は関係者間で行方不明が伝えられたばかりだった。

 坂本相談役は、社内で“ドン”と呼ばれる超大物だった。1964年に旧国鉄に入社し、JR北海道発足後は96年に社長に就任。03年に会長、07年に相談役となったが、社内を大きく動かす派閥のトップとして大きな力を発揮していた。

「JR北海道は会長派、社長派の二大派閥に分かれていて、長年その対立こそが、ここ最近起こっている諸々の問題の原因でもあったんです。会長派は小池明夫会長の派閥で、社長派は坂本相談役が後ろ盾となり中島尚俊社長が率いていましたが、中島社長は2年前に脱線事故の責任を問われている中で自殺。小池会長が一時、社長を引き継いでいたんですが、坂本相談役の巨大な力が働いて、昨年の夏、野島誠氏が新社長に就いたんです」(JR北海道関係者)

 ずさんな安全管理で事故が多発、レール検査データの改ざんも発覚するなど渦中のJR北海道だが、責任者である野島社長は10日に入院、16日に予定だった定例記者会見を延期したばかりだった。

「この会見では、レール検査データ改ざんの調査結果が公表される予定だったのですが、その内容をめぐって水面下では役員たちが紛糾していたんです。急な入院は時間稼ぎだろうという見方がされていた」(同)

 その背景に見え隠れする社内の権力闘争に、坂本相談役が悩まされていたという話もある。

「不祥事を機に対立派が実権を握ろうとしていて、そうなると北海道新幹線の誘致をめぐる利権が持っていかれてしまうという構図があった」と関係者。

 北海道新幹線はもう40年も前に計画されながら、巨額の資金が投じ続けられてきた利権のバケモノ。来年、青森から函館まで6,000億円近くかけてやっと開通の予定だが、計画では札幌までの延伸で20年後まで工事が続き、その額2兆円は下らないという予測がある。

「JR北海道は何百億も赤字で、新幹線自体が必要とはいえないのですが、自民党の土建族議員の利権としてはこの上なく莫大なもので、複数の大物議員がそれぞれ大手ゼネコンを率いて社内の派閥を引っ張り合っていましたし、坂本相談役がこのまま権力を失えば、あらゆるところに損失が出るという緊迫した状況でした」(同)

 社長派の役員たちからは、“完成すれば儲かる”と信ぴょう性のない話が延々と聞かれた北海道新幹線だが、反対意見を封じ込める役目も担っていたとされる坂本相談役の自殺で、状況はさらに混迷してきた。JR北海道の最大の問題である社内の権力闘争は、死者を出しても解消する気配はない。
(文=鈴木雅久)

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