東京女子流の“制服”姿が異常なほどかわいい! 偏愛が招いた奇跡の瞬間『5つ数えれば君の夢』

日刊サイゾー / 2014年3月8日 19時0分

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 男子禁制の花園に、うっかり足を踏み入れてしまった。東京女子流の初主演映画『5つ数えれば君の夢』にはそんなヤバさが漂う。2012年に女性グループとしては史上最年少記録となる日本武道館ライブを果たした5人組のボーカル&ダンスグループ・東京女子流。平均年齢16歳の彼女たちが初主演した本作は都内の女子高が舞台だ。文化祭を間近に控えて校内がざわつく中、5人の少女たちのそれぞれの思惑が交錯する様子を、23歳の山戸結希監督が限りなくナイーヴに撮り上げている。

 これまで青春映画と呼ばれる作品に登場してきたヒロインたちの多くは、純真かつ慈愛に満ちた存在として描かれてきた。男性監督の願望を反映したフィクション上の聖少女たちだ。ところが、『5つ数えれば君の夢』に登場する5人の女の子たちは純真ではあるが、その純真さの奥には身勝手さや小さな悪意が潜んでいる。それぞれの度合いは違うが、わがままで、自己チューで、冷酷で、いい子のふりをして相手を欺く。そして始末が悪いことに、それゆえに彼女たちはキラキラとまぶしい。男性監督の脳内で描かれた架空の聖少女とは異なり、リアルな生身の女の子としてスクリーンの中で息づく。

 山戸監督は上智大学在学中に『あの娘が海辺で踊ってる』(12)でデビューを果たした新鋭。第2作『おとぎ話みたい』(13)も含め、山戸作品はどれも女子高生を主人公にしているが、彼女たちは厳密に言うと人間ではない。それは宇宙人だとかモンスターだとかという意味ではなく、彼女たちはまだ人間になる前の“少女”という名の小動物なのだ。彼女たちがスクリーンの中で囁いていることの半分くらいは理解できないし、頭の中で考えていることはもうさっぱり分からない。ひとつだけ分かることは、山戸作品のヒロインたちはみんな、ひどく生き急いでいるということ。人間とは異なる少女という名の別種の生き物である彼女たちは、自分たちが輝ける時間があまりにも短いことを自覚している。イライラと焦燥感を抱き、周囲にいる誰かを傷つけるか、自分の思い込みを善意として相手に押し付けようとする。あまりにも身勝手な生き物だ。男にはこの繊細なクリーチャーを飼い馴らすことは到底できない。

 『5つ数えれば−』の舞台となる女子高の文化祭でいちばんの盛り上がりを見せるのは、各クラスから代表者1名を選出して競われるミスコンの開催。ミスコンの本命、対抗馬、推薦者、主催者、傍観者、それぞれの立場から5人の物語が奏でられていく。少女たちの過剰な思い込み、いたずら心、華奢な身体を押しつぶしてしまいそうな大きな夢が渾然一体となって、文化祭当日に大爆発を起こす。思春期ホラーの金字塔『キャリー』(76)の卒業パーティーを彷彿させるクライマックスだ。本作は血みどろのホラー映画ではないものの、男子がこれまでちょっと見たことのないような怖いくらい美しい悪夢的な世界が待ち受けている。文化祭を終え、可憐さを競う少女たちの胸の中で何かが死に、新しい何かが生まれる瞬間を目撃することになる。

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