キング・オブ・スタジオドキュメント『笑っていいとも!』の終わり方

日刊サイゾー / 2014年4月1日 19時0分

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「見たことがないのでわからない」

 タモリは「『笑っていいとも!』とは?」という問いに、そう答えた。

 思えば、日本に住んでいれば誰もが一度は見たことがあるであろう国民的長寿番組『笑っていいとも!』(フジテレビ系)を見たことがない稀有な人間は、ほかならぬタモリなのだ。そんな番組が、3月31日をもって32年間の歴史に幕を閉じた。

 『グランドフィナーレ感謝の超特大号』と名付けられた最後の特別番組には、歴代レギュラー陣77人あまりが集まり、そのラストを見届けた。番組の終盤には、現レギュラー陣からタモリへ感謝の言葉が贈られたが、そのスピーチで「バラエティって非常に残酷なものだなとも思います」と涙ながらに話したのは、SMAPの中居正広だ。

 映画やドラマ、ライブでは、終わりはあらかじめ決められている。ゴールを目指して進むことができる。しかし、バラエティにゴールはない。「バラエティは、終わらないことを目指して、進むジャンルなんじゃないか」と中居は言う。だから「バラエティの終わりは……寂しいですね」「こんなに残念なことはないと思います」と声を詰まらせた。

 2013年10月22日、その中居の目の前で『いいとも』の終了が発表されたのを境に、8000回目の放送でとんねるずが不定期レギュラーになったり、現役の首相が「テレフォンショッキング」に出演したりと、『いいとも』は“お祭り”騒ぎに突入していった。こうした終わり方は、何事にも執着しないタモリにとって本意ではなかったかもしれない。もっといつも通りの『いいとも』のまま、淡々と終わらせたかったかもしれない。けれど、タモリはこれまでの感謝を込めるかのように、その神輿に乗った。このお祭り騒ぎのさなか、タモリはずっと気恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべていた。

「一番思い描くイメージは、タモリさんの照れ笑い」と、爆笑問題・田中裕二は『いいとも』のイメージを一言で表現した。そうなのだ。だとすれば、この終焉も平常通りといえば平常通りだ。かつて相方の太田光は『いいとも』を、「タモリさんをいかにみんなで楽しませようか」という番組だと形容している。

「みんながタモリさんを喜ばせたい。それは出演者、プロデューサー、ディレクターだけじゃなくて、美術、音声、カメラさん、技術……みんながタモリさんを喜ばせたいの。みんなタモリさんが大好きで」(TBSラジオ『JUNK爆笑問題カーボーイ』より)

日刊サイゾー

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