「我々の仕事は事件を防ぐことではない」警備関係者が語る「AKB48握手会警備」の真実

日刊サイゾー / 2014年6月1日 12時0分

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 岩手・滝沢市で開催されたAKB48握手会で起きた「ノコギリ強襲事件」の余波が大きい。襲われたメンバーの川栄李奈と入山杏奈は気丈な姿を見せたが、事件の影響で関係グループがイベントの延期や中止を発表。「6月の総選挙と大島優子の卒業イベントに向けたプロモーションが弱くなる」と関係者が頭を痛めているが、イベントの警備会社も、この事件に右往左往している。

「実は、イベントにかける警備の費用は減少傾向にあったんです。握手会商法によってAKBのCDセールスは飛躍的に伸びましたが、メンバーやスタッフの増加もあって経費削減の必要に迫られ、規模縮小していたところでした。今回の事件がその影響を受けたものかはわかりませんが、警備会社の中には『これで警備強化バブルが来る』と喜ぶ者もいます」

 こう話すのは、タレント関連イベントの警備を請け負う警備会社の関係者だ。聞けば、この事件を機に、イベント主催者に売り込む新規参入のライバル業者も出てきているという。

「警備会社というのは競争が激しく、ほかに乗り換えがされやすいですからね。AKBの場合は警察OBが関わった横でつながる警備会社が請け負うことが多いのですが、それでも全国各地のイベントとなれば新規参入のチャンスがあるのは事実」

 実際、イベントの主催者サイドからは「しばらく警備員の増員を検討」という声もあり、事件後、「大人AKB」として期間限定の活動をしている主婦メンバー、塚本まり子がイベントに出演した際も、通常より手厚い警備体制がとられていた。

「ただ、警備員をひとり増員すると、1日1万8,000~2万円ほど加算され、さらに持ち物検査で金属探知機などを導入すると、オプションで費用は高くつく」と前出関係者。これには運営側も頭が痛いようで、経費増大は本来避けたいところだ。

 一方で「喜んでもいられない」と危機感を覚えるのが、大手の警備会社。

「今回の事件ではタレントが運営側を責めている様子がないですが、もし主催者が管理責任を問われたら、かなり厳しい話になると聞きました。そのリスクがあるから、中長期的に考えれば、今後、握手会イベントは減る可能性が高いそうです。そうなれば、結局は市場の規模は縮小してしまいます」(同社幹部)

 そんな折、熱狂的ファンの間では「アイドル自警団」を結成する動きもあるが、これについて前出の警備会社関係者は「意味がない」という。

「実のところ、我々の仕事は事件を防ぐことではありません。刃物を持った男が襲っていても警察官ではないので制止してはいけない決まりで、あくまで抑止力なんです。主催者は我々を雇うことで、何かあった場合に“十分な警備態勢をとっていた”という免責の根拠とします。自警団にも犯罪者の取り締まりに権限はないですし、行為によっては警備業法に違反する可能性もあります。主催者にとってはファン同士の余計なトラブルを生む危険性のある、迷惑なものなんです」

 警備会社も注視する握手会の惨劇。映画『ボディガード』顔負けの凄腕SPでも雇わない限り、事件は防げないのか。
(文=ハイセーヤスダ)

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