「完全にやりにいった」TBS『水曜日のダウンタウン』の悪意と愛

日刊サイゾー / 2014年6月6日 16時0分

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「完全にやりにいってしまった」

 『水曜日のダウンタウン』(TBS系)で、「ストッキング被って水に落ちるやつ、誰がやっても面白い」説を検証するために、ストッキングを頭に被ったままプールのウォータースライダーをすべるという実験が行われた。

 アンガールズ田中、髭男爵ひぐち君に続いて、「面白さとは程遠いイケメン俳優でも面白くなれば、“ストッキングで水落ち”の面白さが実証されるはず」だと挑戦したのが、俳優の中村昌也だった。そこで中村は、確信犯的に足を大きく開き、息苦しさを大げさにアピールする過剰なリアクションを取った。その映像につけられたのが、冒頭に引用したナレーションだった。

 さらに、一度立ち上がったのに自ら顔をわざとプールに沈めたことを「顔を理由なき二度づけ」と断罪。「とんだ串カツ野郎」とまで言い放った。スタジオのダウンタウンも「これ、悪意あるなぁ」「このナレーションあかんやろ」と呆れつつも、大笑いだった。

 『水曜日のダウンタウン』は放送開始当初、「アカデミックでありながら、くだらないトーク&情報エンタテインメント番組」を名乗っていたが、「アカデミック」は回を追うごとに見当たらなくなり、「くだらない」ばかりが目立つようになった。

 それもそのはず。かつて「クイズ番組」のかさに隠れ、やりたい放題の限りを尽くした『クイズ☆タレント名鑑』(同)の藤井健太郎が演出兼プロデューサーを務めているのだ。ダウンタウンと藤井Pの組み合わせがどんな化学反応を起こすのか、放送前から大きな注目を集めていた。

 番組では、ゲストが持ち寄った「説」をプレゼン、それについてスタジオでトークしつつ、実験などで検証していくという構成。その構成だけを聞けば、確かに「アカデミック」なのだが、その「説」がズバ抜けて「くだらない」。

 たとえば、小籔千豊が「みんなの説」として提唱したのは、「ロメロスペシャル 相手の協力なくして成立しない」説。ロメロスペシャルは、「吊り天井」とも呼ばれるプロレスの大技だ。確かに、受ける相手が協力しないと成立しないように見える。「それはダメでしょ、それを言ったらダメ」と関根勤が苦笑いするように、触れるのは野暮な部分だ。

 だが、番組は実際にそれを検証する。ロメロスペシャルの使い手のひとりであるプロレスラー、獣神サンダー・ライガーに、抵抗する相手にかけてもらおうというのである。最初の標的になったのは、肉体派芸人のサバンナ八木。何も知らない八木に襲いかかるライガー。スタッフに「逃げて!」「技かけられないで」と言われ、必死に抵抗する八木だが、ライガーは見事技をかけることに成功するのだった。ある意味、感動的なその光景を尻目に、ナレーションは「八木には絶対にかからないだろうとロメロをなめていたスタッフは、徐々に相手を弱くしようと、もう2人、芸人を用意していた」と悪意を隠さない。

 おぎやはぎ矢作は、共演していた勝俣州和本人を前に勝俣を絶賛する。誰とでも絡め、トークの引き出しも数多い、と。そして、スタッフのやってほしいことを全部やってくれる“企画成立屋”なのだと持ち上げる。そんな矢作が唱えた「説」が、「勝俣州和 ファン0人」説だ。知名度やスタッフからの信頼は抜群だが、勝俣個人の「ファン」は「人っ子一人いない」のだと。本人を前に、悪意たっぷりに主張したのだ。さらに番組は、その悪意に乗っかり「というわけで、そんな人いるわけがないと思いますが、万が一いらっしゃれば」と、ホームページで勝俣ファンを募集するのだった。

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