IT先進国の実体は「インターネット監視国家」だった!? 韓国で不可解な閲覧制限が横行中

日刊サイゾー / 2014年7月26日 16時0分

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「あなたが接続しようとしたサイトには不法・有害内容が提供されているため、接続が遮断されたことをお伝えします」

 韓国でアクセス制限がかかっているサイトに飛ぶと、表示される警告ページの文面だ。IT先進国を自称する韓国だが、その実態は「インターネット監視国家」(「国境なき記者団」の見解)。それを証明するかのように、国内からの閲覧禁止サイトは年々増えている。

 閲覧の可否を決定する放送通信審議委員会(KCSC)によると、その数は2011年3万1,357件、12年3万9,296件、13年(9月まで)4万1,716件と右肩上がり。ギャンブル、ポルノ、麻薬、不法薬物に関する情報を提供しているサイト、商標権や著作権を著しく侵害しているサイト、その他、政治的な理由で閲覧が禁止されるサイトもあるという。国内サイトだけでなく、例えば、アメリカのオンライン・ストリーミングサイト「Grooveshark」、北朝鮮の情報サイト「わが民族同士」も閲覧禁止だ。
 
 その遮断方法とは、該当サイトに接続しようとすると、警告ページ(www.warning.or.kr)に強制移動させられ、接続を制限されるというもの。KCSC関係者が韓国メディアに明かしたところによると、「国内サイトの場合、有害サイトに対する閉鎖措置を取ることも可能だが、海外サーバーの場合、閉鎖の法的根拠がなく、接続を遮断させる方法を取っている」という。

 では、KCSCはどんな審議を通じて、閲覧禁止サイトを決定しているだろうか? ある韓国メディアが詳しく報道している。それによると、取材班が訪れた日に審議されたサイトはおよそ2,600件。その審議過程は、担当者が委員に「61番から75番までの15件は削除、79番から91番までは接続遮断を建議します」などと報告し、委員たちが「はい、同意します」と答えて終了するというもの。数十、数百件単位の案件を処理するのに、10秒とかからなかったそうだ。

 なんともお粗末な審議によって、さまざまなサイトが閲覧禁止となっているわけなのだが、ネット検閲はネチズン(ネット市民)たちから“諸悪の根源”と非難されている。そもそも審議基準が明確ではないし、過剰な検閲がネットの生命線ともいえる自由を奪うからだ。ネチズンたちは、「なぜ、海外サイトへの接続が罪なんだ? ウリナラ(我が国)が中国でもあるまいし!」と不満を募らせている。過激なネチズンなどは、警告ページをパロディした「No Warning」というサイトを作って、KCSCの警告ページを迂回できるプロキシーサーバーを提示しているほどだ。

 そもそも、警告ページに飛ばされた利用者からしてみれば、一体何を警告されたのかがわからないという矛盾も生じている。該当サイトに接続されないのだから、自分が犯すかもしれなかった不法行為の中身がはっきりしないからだ。

 とはいえ、KCSCの警告ページから逃れる方法は、それほど難しくない。例えば、IPアドレスを海外IPに変更するだけでも、閲覧禁止サイトに接続できるそうだ。中には、動画付きで丁寧に閲覧禁止から逃れる方法を解説したブログも。これでは、なんのために非難を押しのけてまで規制しているのかがわからなくなってくる。
 
 “いたちごっこ”はネット業界の日常茶飯事だが、それにしても粗雑な韓国のネット事情。少なくても、IT先進国と誇るのだけは控えたほうが良さそうだ。

日刊サイゾー

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