名将・尹晶煥監督の不可解な解任劇に、韓国では「韓国人に優勝させたくないのでは?」の声も……

日刊サイゾー / 2014年8月12日 16時0分

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 Jリーグに激震が走った。なんと、首位を走るチームの監督である尹晶煥(ユン・ジョンファン)が解任されたのだ。

 通常ではありえない解任劇に、ユンの母国である韓国では「韓国人監督に優勝させたくないのでは?」と、日本の反韓感情をいぶかしむ声が上がっている。

 もっとも、ユンの実績を鑑みれば、それも無理はない話だ。

 ユンが監督を務めるサガン鳥栖は、年間予算はJ1チームの平均の半分以下で、下から数えて三本の指に入る低予算で戦っている。それでいて、近年の輝かしいサガン鳥栖の成績は、ユンあってのものでもある。

 ユンが監督に就任した2011年。サガン鳥栖は、J2リーグにいた。それが、ユンが監督に就任すると、その年にJ1に昇格。その後も、明らかに平均を下回る予算のため、毎年“J2降格候補”とされながらも、J1に残留する。それどころか、上位争いを繰り広げ、強豪チームの仲間入りまであと一歩というところまで来ていた。サッカー業界の裏事情に詳しいライターは「これは、サガン鳥栖のビジョンが導いた成果」と語る。

「サガン鳥栖は、06年にユンを選手として獲得するのですが、単純に戦力としてだけ獲得したわけではない。ユンは00~2年間、セレッソ大阪でプレーしていたのですが、その真面目な性格から、指導者としての資質があると見る関係者が多かった。サガン鳥栖は、当時からユンにチームの将来を任せようと思っていたのです」(同)

 そんなサガン鳥栖の期待に、ユンも応える。J2リーグのコーチの給料は驚くほど安い。元韓国代表の肩書を持つユンも、同様の扱いになる。当初はコーチとしてスタートしたため、本人も戸惑いを隠せなかったようだ。

 それでもユンは手を抜くことなく、チームのために仕事をしてきた。それは結果に表れている。その戦術内容を「縦一本の古臭い韓国サッカー」と揶揄する声もあるが、「FIFAワールドカップ2014ブラジル大会」を見れば、サガン鳥栖のサッカーに“古臭い”という形容詞が当てはまらないことは一目瞭然である。結果も内容も、解任には値しない。

 では、なぜ、ユンは解任されてしまったのだろうか? 前出のライターは明かす。

「サガン鳥栖は、日本代表候補だった豊田陽平の年俸を上げているため、来季ユン監督の年俸を上げることは難しい。もちろん、今シーズン、何かしらのタイトルを取れば、ユン監督の給料を上げたと思いますが、フロントは後半に失速する可能性を感じている。ただ、ユン監督としては、首位を走るタイミングで契約延長をしたい。それは、年俸の吊り上げという狙いもあるかもしれませんが、何より今季のリーグ戦に集中したいからでしょう」

 ユンからすれば、チームが今季レギュラー格でないBという選手を獲得したことに首をかしげる部分もあっただろう。Bの年俸は、サガン鳥栖の中では高額である。その半面、自身やレギュラー格の年俸が一向に上がらないことに不満を覚えていても不思議でない。そういった軋轢の積み重ねが、今回の騒動に発展したと想像できる。

 首位のチームの監督が解任されるというのは、ネガティブなニュースに思えるが、前出のライターは「監督解任がウワサされる大宮アルディージャが、ユン監督を招聘するのも面白い。ユン監督の実績、戦術から考えて、フィットするクラブはありますよ。ベガルタ仙台もいいかもしれない。世界では引き抜きは日常茶飯事です。Jリーグがそうなるきっかけになればよいのでは」と語る。

 首位チームの監督が解任されるという前代未聞の事態は、どう収束するだろうか。

日刊サイゾー

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