庵野秀明、山賀博之ら有名クリエイターの裏話だけじゃない! ド直球青春ドラマ『アオイホノオ』

日刊サイゾー / 2014年8月26日 19時0分

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「あだち充、俺だけは認めてやる!」
「あだち充、あいつ野球マンガの描き方を全然分かってないんだぁ。ダメだよー。いや、俺は好きだけどさー。俺はあだち充が好きだから、ひいき目で見てやってるから面白いけどさー」

 あのあだち充に対してどこまでも上から目線の男、それが『アオイホノオ』(テレビ東京系)の主人公、焔モユルである。

 『アオイホノオ』の舞台は「若者のファッションと文化が一斉に花開いた時代」である1980年の大阪芸術大学だ。原作は、島本和彦の自伝的マンガ。だから、あだち充、高橋留美子、石ノ森章太郎、松本零士、永井豪といった時代を彩ったクリエイターたちが実名で登場する。名前だけではない。権利関係が煩雑な昨今、“よくぞここまで!”とうなってしまうほど、彼らの作品や本物の声優を起用するなど、忠実に再現している。

 監督・脚本は福田雄一。『勇者ヨシヒコと魔王の城』(テレビ東京系)、『コドモ警察』(TBS系)、『メグたんって魔法つかえるの?』(日本テレビ系)、『天魔さんがゆく』(TBS系)、『裁判長っ! おなか空きました!』(日本テレビ系)、『新解釈・日本史』(TBS系)と、次々と深夜のコメディドラマを量産している売れっ子だ。ある意味、いま最もコンスタントに“コント”を作っている作家ともいえる。そんな福田が島本マンガをドラマ化するのだから、笑えないわけがない。

 プロのマンガ家を目指す主人公・焔モユルを演じるのは柳楽優弥。映画『誰も知らない』で、第57回カンヌ国際映画祭「最優秀男優賞」を最年少14歳で受賞するという快挙を成し遂げ一躍注目されたが、以降は決してその注目に値する活躍とはいえなかった。カンヌ受賞から10年、『誰も知らない』の自然な演技とは真逆の、熱い男を演じている。喉仏まで見えてしまうほど口を大きく広げ、血走るほど目を見開き、大量の汗が滴り落ちる。その過剰すぎる顔芸! それと呼応するように張り上げた絶叫。うるさいほどの饒舌な独白。マンガから飛び出してきたようなハマりっぷりだ。

 ハマッているのは、柳楽だけではない。彼の同級生として登場する庵野ヒデアキ(安田顕)、山賀ヒロユキ(ムロツヨシ)、赤井タカミ(中村倫也)もまた、ハマりまくっている。庵野とは、言うまでもなく後に『新世紀エヴァンゲリオン』を作る庵野秀明のことだ。山賀や赤井も、庵野ともにガイナックスで活躍するアニメ界における重要人物だ。稀代のプロデューサーとなる山賀は、庵野や赤井の才能をいち早く見抜き、「こいつらは絶対捕まえておこう! そうすれば一生食いっっっっぱくれない!」と、2人を自分のグループに取り込んでいく。モユルは幸か不幸か、そんな天才たちと机を並べることになったのだ。

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