東日本大震災から3年半──福島県の農園を苦しめる“復興詐欺”横行の現実

日刊サイゾー / 2014年9月12日 22時0分

 原発の風評被害から必死に立て直しを図る福島県の農園で、復興対策の「オーナー制度」が悪用される詐欺事件が起こっている。

 農園のオーナー制度は、桃や梨、リンゴなどの畑や木のオーナーになって収穫を楽しんでもらうもの。以前から全国各地で人気となっているが、風評被害に苦しむ福島の農園では、特にこの制度を採用する動きが加速中。これに、善意でオーナーに名乗り出る人々の輪も広がっていた。

 しかし、6月中旬にこの話を持ち掛けられた神奈川県在住の会社員・Aさんは「飲食店で知り合った人物に話を聞き、6万円を投資したところ、だまされてしまった」という。

「福島で桃園を経営しているという人物で、震災の影響で非常に苦しいと話していました。最近は年間6万円で樹木オーナーを募集しているというので、応募しました。桃の売り上げから一部が被災者救済にも寄付されると説明を受けましたが、プロセッションという会社の口座に6万円振り込んだ後、音信不通になったんです」

 Aさんは、伝えられていたいわき市の桃園にも行ってみたが「現地は桃など1本も生えていない、林野だった」という。すぐに被害届を提出したが、現在まで犯人は捕まっていない。福島県警によると「こうした震災後の支援関係の詐欺は、およそ年間250件ほどある」という。

「過去には、被災して空き家になったままの場所を住所として悪用しているケースもあって、だまされた人たちが現地に来ては、詐欺に気付いたりしている」(県警)

 8月末、いわき市の農園で桃狩りの運営者をあたってみると「お客さんから“怪しいオーナー話を聞いた”と相談を受けることがあります。観光客激減の中で必死に運営している我々にとっては、本当に悲しい話」と答えた。

 一方、こうした問題に立ち上がる民間の有志もいる。福島大に通う学生が、被災地関係の詐欺を徹底調査、情報収集して各地に流して周知させる取り組みを始めようとしているという。

 先日は久間章生・元防衛相が代表を務めるNPO法人の元幹部らが「放射能の影響で宿泊施設の建設が中止となった」と東電にウソの損害賠償を請求、約1,800万円をだまし取ったとされる事件もあったが、日本の非常事態で大小問わず詐欺が横行していることはあまりに悲しい。
(文=ハイセーヤスダ)

日刊サイゾー

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