アイドル戦国時代「ファンとの距離の近さ」が生んだ“GPS発信機付きプレゼント”の恐怖

日刊サイゾー / 2014年9月25日 19時0分

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 アイドル戦国時代ともいわれる昨今、アイドルへの悪質なプレゼントが急増している。その中でも特に悪質なのが、GPS発信機の封入だ。

 8月下旬、ある女性アイドルが所持するゲーム機の中から、GPS発信機が見つかった。本体の中でなんらかの部品が外れたような音がしたため、機器に詳しい親族がドライバーで開けてみたところ、本来は入っているはずのないGPS発信機が見つかった。同発信機は持っている人の居場所が受信機を持つ人に特定されてしまう仕組みで、アイドルは自宅を特定された可能性が高いという。

 アイドルが所属するマネジメント会社代表によると「このゲーム機は1年以上前にファンから手渡しで贈られたもので、60人ほど集まった握手会イベントでのもの。警察に被害届は出しましたが、本人が相手の顔などを覚えておらず、まだ犯人は分かっていない」という。

 捜査への影響を考え、アイドルの実名を出しての被害公表は先送りされているが、ほかでも同様の被害は相次いでいる。

 7月中旬、鉄仮面などをかぶった異色のグループ「仮面女子」にもファンからGPSが仕込まれた不審なぬいぐるみが届けられたと、所属事務所「アリスプロジェクト」が明かした。

 仮面女子内のユニット・アーマーガールズの劇場公演で、伊藤みう宛てに届けられた黄色いぬいぐるみは、関係者が「やけに重かったのでよく調べてみたところ、底に雑に縫われた継ぎ目が見つかって、開けるとGPS機器が出てきた」と話す。

 仮面女子の劇場動員数は年間30万人と人気急上昇中で、あのビッグダディが「娘を入れてほしい」と申し出たほど。だが、人気者となるにつれ、こうした被害が出てきた。そのため、飲食物や現金、1万円以上の高価な物などのプレゼントを禁じる規制を設けてきたが、さらに「プレゼントの検閲を徹底する」とした。

 すでに所轄警察に被害届を提出しているが、専門家によると、このGPS発信機から犯人を特定するのは難しいケースが多いという。

「基本的に、発信機だけでは犯人を逆探知するのは困難。レンタル機器であれば受信機の契約者を割り出せばいいだけなんですが、悪用する人は、レンタルではなく購入している。安いものなら電波の受信が悪かったり、発信場所の特定範囲が広かったりしますが、5,000円くらいから手に入る」(無線機器販売業者)

 ほかでは、贈られたプレゼントの中から古い携帯電話を改造したと思われる録音機のようなものが発見され、音声がネットを通じて送信されていたというケースもあった。しかし、前出代表は「今のアイドルはファンとの距離が近いことを売りにしているので、あまり規制をするとファン離れになってしまう」と話す。

 現状ではスタッフがプレゼントのチェックをする以外に対策はないが、ゲーム機の件は直接アイドルに手渡されたもので、規制しにくい部分があるという。GPSを贈られたアイドルにそれ以上の被害が出てきてはいないが、もっと悪質な事態が起こるのは時間の問題かもしれない。
(文=ジャーナリスト・片岡亮)

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