民主化より生活が大事!? 香港デモに対し、高まる市民からの批判の声

日刊サイゾー / 2014年10月7日 17時0分

「香港当局にはなんの裁量もない。やるなら北京に行ってやれ!」
「人の仕事を邪魔しておいて、何が民主化だ!」

 罵声にも似た叫び声が、路上に居座る若者たちに浴びせられた。
 
 梁振英行政長官の辞任を求めて行われている、香港のデモの現場での出来事だ。デモ隊に対し、当局は6日を撤収の期限として迫っていたが、行政や金融の中心地であるセントラルと、商業地区の旺角の公道では依然として「占拠」が続いている。
 
 しかし、デモが長期化するに従い、デモ隊と市民との温度差が顕著となっている。
 
 10月3日夜には、デモに反発する市民がデモ参加者を取り囲み、危害を加えるという事件が各地で頻発。40人近くの負傷者が出た。一部のデモ参加者は、当局に雇われた黒社会の人間の仕業であると主張している。しかし、一般市民からの風当たりも、強くなりつつあることは確かなようだ。
 
 6日昼過ぎ、旺角の路上でデモ反対派の市民が、デモ隊が設置した垂れ幕の一部を剥ぎ取ると、周りから拍手が巻き起こる一幕もあった。香港の街中には、随所で「占拠は経済に損害を与えている」という張り紙も目につく。
 
 また、道路の封鎖によって営業に支障が出ているバスやタクシー運輸業界の各団体は、「我々の飯の種を奪うな」とカウンターデモを展開している。
 
 香港のテレビニュースでは、16歳の娘がデモに傾倒し、家に帰ってこないとして、「娘を返せ!」と泣き叫ぶ母親の姿も放映された。
 
 富裕層向けの飲食店が軒を連ねるSOHOにいた28歳の女性は「中国支配が強まると不利益を被る者と弱まると、不利益を被る者、利権者同士の争いに学生が利用されているだけ」と冷ややかに話した。
 
 中国支配からの脱却と民主化は、多くの香港人にとっての理想だが、大切なのは目先の生活ということか。
(文=牧野源)

日刊サイゾー

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