宿命のライバルゆえ? 何かと比較される、日韓サッカー代表監督の憂鬱

日刊サイゾー / 2014年12月1日 19時0分

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 サッカー日本代表を率いるハビエル・アギーレ監督の評判が、韓国でも芳しくない。ネットニュース「NEWSis」も「日本、アジアカップを2カ月前にしてアギーレ体制が騒がしい」と報じている。その根拠となっているのが、9月の就任以降のAマッチ戦績が6戦3勝1分2敗と振るわないことや、新戦力の発掘が少なくザッケローニ前監督時代から代わり映えしないことなど、日本でも報じられているアギーレ体制への不満だ。さらに、アギーレ監督がスペイン時代に関与したとされる八百長疑惑や、母国メキシコのサッカー殿堂入りが決まったアギーレ監督が式典参加のために日本代表合宿から離脱したことなども詳細に伝えながら、「本当に名将か?」(サッカー専門誌「月刊ベストイレブン」)と指摘するメディアもあるほどだ。

 もっとも、そんな韓国も数カ月前まではアギーレ監督を招聘した日本をうらやましがっていた。日本同様にブラジルW杯でグループリーグ敗退した韓国は、現役時代から“国民的英雄”だったホン・ミョンボ監督が辞任。復活を期して外国人監督起用に舵を切るが、2010年南アフリカW杯でオランダ代表を準優勝に導いたベルト・ファン・マルワイク氏とは条件面で折り合わず白紙となり、イタリア人で元ユベントスの監督だったチロ・フェラーラ氏とも合意できず。新監督がなかなか決まらなかった。

 そんな韓国とは対照的に、ブラジルW杯後に早々とアギーレ監督招聘を決めた日本に対し、メディアやファンたちも「韓国とは対照的な日本の迅速で確実な投資は、いつもうらやましく映る。これがアジアのサッカー先進国と後進国の違いだ」と嘆いていたほど。韓国は紆余曲折の末に、70~80年代にドイツ代表で活躍したウリ・シュティーリケ監督と契約を交わしたが、メキシコ代表を2度のW杯16強に導き、スペインリーグでも実績を残したアギーレ監督と比較するとネームバリューは低く、近年は中東カタールで活動していたことから“峠を過ぎた監督”と落胆するファンも多かった。

 ところが、このシュティーリケ監督が思いのほか好人物。結果を恐れず敵地に出向いて、イランやヨルダンなどとも強化試合を実施。就任した10月以降の Aマッチ戦績は2勝2敗ながら、新しい戦術を試したり、新戦力発掘のためにKリーグも視察。大学リーグまで足を運ぶ熱心さが、高評価を得ている。「シュティーリケとアギーレ、監督に対する韓日の温度差が克明」(サッカーメディア「SPORTAL KOREA」)と、2人を比較する記事まで出回っている。

 もっともサッカーの世界において、日韓の代表監督が比較されるのは今回が初めてではない。宿命のライバル関係にある両国ゆえに、代表監督は常に比較されるだけではなく、その対戦結果が進退問題にも関わってきた。2002年ワールドカップでは、日本代表を率いたフランス人監督のフィリップ・トルシエと韓国代表を率いたオランダ人のフース・ヒディンクも、戦術、采配、年俸といったピッチの中はもちろん、家族、趣味、プライベートなどピッチ外の私生活まで比較されたほどである。

 そんな因縁に基づくと、アギーレとシュティーリケは双方がお互いを意識していなくとも、それぞれ日本と韓国という国を率いることになった以上、比較される宿命からは逃れられない。まさに、メキシコ人とドイツ人による日韓サッカー代理戦争。2人からしてみれば面倒で迷惑な話だろうが、来年1月のアジアカップでは日韓直接対決もありうるだけに、両国サッカーファンたちは2人の外国人監督の動向に今後も注目せずにはいられないだろう。ちなみに在任期間が最も短い日本代表の外国人監督は、94年5月から同年10月まで率いたブラジル人のロベルト・ファルカン。アギーレ監督同様、大きな期待を集めて日本代表監督に就任したが、アジア大会で韓国代表に敗れて5カ月で更迭された。アギーレ監督がファルカンの二の舞いを演じてしまうことだけは、避けてもらいたいところだが……。

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