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カラオケ歌手・May J・の“カバー戦略”は「決して間違っていない」と業界関係者

日刊サイゾー / 2016年3月26日 9時0分

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 歌手のMay J.が3月16日にリリースした新アルバム『Sweet Song Covers』(rhythm zone)が、3月28日付のオリコン週間アルバムランキングで6位にランクインしている。同作は、山下達郎の「RIDE ON TIME」や太田裕美の「木綿のハンカチーフ」、あみんの「待つわ」など、80年代のヒット曲を中心にカバーしたアルバムで、“カラオケ女王”とも称されるMay.Jにとっては堅実な作品といえそうだ。

 同時発売された初の書籍『私のものじゃない、私の歌』(TAC出版刊)で自ら言及しているように、カバー曲ばかりを歌うことでバッシングも受けてきた彼女だが、その戦略は、昨今の音楽シーンにおいては決して間違っていないと、業界関係者は言う。

「インターネットで膨大な楽曲を自由に聞ける時代になった今、個々の趣味はどんどん細分化しており、みんなが知っている“ヒット曲”が生まれなくなったとは、ずいぶん前から言われていますが、過去の楽曲に関しては別で、幅広い層への訴求力をいまだに持っています。また、ヘタにお金をかけて新曲を作るより、時の洗礼を経ても残っている過去の名曲をカバーしたほうが、結果としてクオリティーが高い作品になることも多い。徳永英明が2005年にリリースしたカバーアルバム『VOCALIST』(ユニバーサル・シグマ)が大ヒットして以降、カバー需要が顕在化したわけですが、May J.が今なお支持されているのは、そうした戦略がまだ有効であることを証明しているといえるでしょう。アイドルシーンに目を向けても、ソニー・ミュージックアーティスツのアイドルネッサンスは、自社の豊富な楽曲群をカバーすることで人気を博しています」

 また、カバー曲を中心に歌うのは、歌手としての実力を問うものでもあると、同氏は続ける。

「日本の音楽シーンには、自分で書いた歌詞を自ら歌い上げる“シンガー・ソングライター”こそが至高のアーティストである、との幻想があり、特に80年代後半~90年代はそういった意識が強かったため、カバー曲を歌うとなぜかバッシングされる傾向があります。もちろん、シンガー・ソングライターならではの魅力があるのは確かで、アーティスト自身のパーソナリティーを含めて鑑賞するのも、ポップミュージックの聴き方として正しいでしょう。しかし、歌謡曲の歴史をさかのぼって考えれば、専業の作詞家や作曲家が作った曲を歌手が歌うという方法はごく普通であり、そうやって分業するからこそ生み出せるクオリティーもあります。また、クラシックの世界の歌手などは、原曲をどう解釈して表現するかが問われるもので、そこに高い芸術性が宿るわけです。専門的な音楽教育も受けている彼女が、歌に専念して過去の名曲を歌うのは、実は真っ当なやり方ですし、高い歌唱力があってこそ実現できるものでもあります。プロフェッショナルな歌手たちが、名曲をどんな風にカバーするのか、その歌唱の違いを楽しむという音楽の聴き方を提示するという意味でも、彼女の活躍には期待したいところで
す」

 May.Jが歌った「Let It Go~ありのままで~」は、確かに“松たか子バージョン”と比較する楽しさがあった。今後もさまざまなカバーで、歌手としての実力を発揮してほしいものだ。
(文=山下祐介)

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