「集めて編むのが編集だ!」名言連発の熱すぎる編集者マンガ『編集王』

日刊サイゾー / 2016年7月27日 15時0分

 そんなカンパチにとって、もっぱらの敵は「週刊ヤングシャウト」の疎井編集長。週刊マンガ誌にありがちなアンケート至上主義、部数至上主義で、人気さえ出るならエロ満載のお下品マンガも厭わないという姿勢で、作品の面白さや質を重視するヒロ兄ィやカンパチたちと常に対立します。

「前々回のパンチラから今回のパンモロ、おまけに半チチに半ケツときたからな。次はチチモロ行くかァ?」
「集めて編むのが俺たちの仕事だ。会社は、作家との友情ごっこに、給料払ってんじゃないんだよ」
「アンケートは絶対なんだよ。アンケートの1位が一番面白いマンガなんだよ」

 どうですか、編集長のくせにこのワルなセリフ。悪役としての貫禄十分ですね。そんな編集長の方針が気に入らないカンパチ。アルバイトで入ったばかりなのに、いきなりかみつきます。

「へえーっ、そうなんだ。じゃああんた、いらないじゃん! 編集長なんか居なくたって、このアンケートを見れば、売れる雑誌が作れるわけでしょ?」

 すごい暴言! 編集部に来て、いきなり編集長不要論をぶち上げるカンパチ。こんな新人アルバイトいねーだろ……。

 怖いものなしのカンパチは、酒とゴルフと釣りに明け暮れ、マンガへの情熱を失ってしまった大御所漫画家・マンボ好塚にも容赦なくかみつきます。

「原稿受け取るだけなら伝書鳩で十分だろう」
「あんたの仕事はウンコだよ!! 仕事場はまるでウンコの缶詰工場だ!!」

 ひでぇ! 大御所漫画家の作品をウンコ扱いですから、そりゃあ相手だって烈火のごとくブチ切れます。しかし、カンパチのすごいところは、相手とガチでぶつかり合った末に、最終的にはカンパチの熱い想いが通じて親友になってしまうところなのです。

主人公以外のキャラも概ね濃いです。例えば、出版社の営業マンが登場する回なんかも熱いです。編集者を向こうに回して、営業が吠えまくります。

「出版社を支えてるのはお客様です。あんたら編集部が支えてるなんて思い上がりなさんな」
「あんたが持ってる編集のプライドとやらにかけて、文学をどうにかしてくれよ! 誇りで仕事が出来るんなら、給料なんかいらねえんだよこちとら!」

 出版社では裏方に回りがちな営業だって、こんなに熱いんです。しまいには「給料なんていらねえ」とか言い出してるし。どんだけ本が好きな奴らなんでしょうか。

 そうかと思えば、めちゃくちゃストイックな漫画家も出てきます。漫画のために家族を捨て、入稿寸前に原稿が気に入らないと破り捨てて逃亡。編集部や印刷所にめっちゃ迷惑を掛けるような存在ですが、いざ出来上がった作品は天才的な面白さ。そんな漫画家の持論がコレ。

「マンガ家と編集者に限って言やあ…家庭環境なんざ不幸なほど、良い作品が出来るわけだしな。」
「不安で不満で、もう逃げ出したくなるほど私生活をズタズタに追いつめてくと、見えてくんだよな、もう一人の自分ってやつが」

 どんだけマゾだよ!! 自分の作品のために周囲の関係者までも道連れにするとか、超タチが悪い漫画家ですが、生い立ちが不幸なほうがいい作品ができる……というのは、ある意味で真理なのかもしれません。

 そんなわけで、熱い奴らが集っている『編集王』をご紹介しました。編集の仕事を志す人にとってはバイブルのような作品だと思いますので、ぜひ全巻読み切って、『あしたのジョー』のように真っ白に燃え尽きちゃってください(燃え尽きちゃダメか)。
(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん)

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