女たちが本当に勝ちたい相手は男ではなかった!? 『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』『菊とギロチン』

日刊サイゾー / 2018年7月7日 14時0分

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 日本では「キング夫人」の呼び名で知られてきた、女子テニス界の名選手ビリー・ジーン・キング。女子テニス最強プレイヤーとして長年にわたって活躍する一方、女子テニス協会の設立メンバーでもあった。そんなテニス界の“生きた伝説”ビリー・ジーンにとって、公式戦ではないものの生涯忘れられない一戦があった。1973年に元男子テニス王者ボビー・リッグスと闘った男女対抗試合だ。女と男がコート上でガチンコ対決したらどうなるか? 世界中の注目を集めたこの試合の顛末を、エマ・ストーン&スティーブ・カレル主演作『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』は追っていく。

 1960年代から活躍を続けたプロテニスプレイヤーであるビリー・ジーン(エマ・ストーン)の闘いの場は、コートだけではなかった。男性上位が当然とされた当時、女子テニスプレイヤーたちの賞金額は男子の八分の一に過ぎず、ビリー・ビーンは納得できなかった。ビリー・ジーンたちの熱戦によって会場は女子の試合でも満席となっており、観客動員力は理由にはならない。全米テニス協会の役員は「生物学的に男のほうが優勢だからだ」と当然のように説明する。男が家庭を守り、社会も守っているので、男の報酬が高いのは当たり前だと協会のお偉い方は考えを改めようとはしなかった。

 ビリー・ジーンは行動する。女子テニスのトップ選手たちに呼び掛け、全米テニス協会を脱退。女子テニス協会を新たに立ち上げる。当時のビリー・ジーンは29歳。現役プレイヤーでありながら、新組織をつくり、運営していく。尋常ではないエネルギーの持ち主だ。無謀とも思える船出だったが、女には女の意地がある。女子のトッププレイヤー自身がチケットを売り、宣伝活動を続けるうちに、賛同者も現われる。デザイナーのテッド・ティンリング(アラン・カミング)が、女子プレイヤーたちのウェアをカラフルなものに仕立てる。伝統を重んじるテニスのウェアはそれまで白一色だっただけに、色とりどりのウェアを身に付けた女子プレイヤーたちがコートで躍動する姿は新時代の到来を思わせた。70年代に高まった「男女同権運動」の機運に乗って、ビリー・ジーンは“時代の顔”となっていく。

 時代の波に乗る女子テニス界に、挑戦状を送りつけるひとりの男が現われる。元男子王者のボビー・リッグス(スティーブ・カレル)だった。現役を離れ、55歳となっていたボビーだが、全盛期の脚光を集めていた日々が忘れられない。「男性至上主義のブタvsフェミニスト」という自虐的なキャッチフレーズでテレビ局に売り込み、ついに前代未聞の現役最強女子と元男子王者との異色対決が実現することに。世界中にテレビ中継され、9,000万人がこの「バトル・オブ・ザ・セクシーズ(性差を越えた戦い)」を観戦する。

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