「ブックオフの黄昏」かつて出版業界を恐れさせた勢いもなく、旗艦店も閉店に追い込まれ……

日刊サイゾー / 2018年7月7日 18時0分

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 かつての勢いは、どこにいったのか。新古書店という新たな古本屋のスタイルを生み出したブックオフが黄昏を迎えている。

 6月、ブックオフは渋谷センター街店を7月22日で閉店することを告知した。ブックオフ渋谷センター街店は、2008年に「パルコ・クアトロ」のリニューアルに合わせオープンした大型店。地下にはグループ初の本格的な古着店が出店したほか、14年からはオークションサイト「ヤフオク!」とコラボ展開するコーナーなど、ブックオフの中でも旗艦店といえる地位にあった。

 近年、ブックオフの業績不振は深刻だ。過去8年の間に閉店した店舗は300店舗あまり。一時は、出版業界を脅かす存在となるまで繁栄したチェーンの勢いは、すでにない。

「ここまで業績が悪化したのは、ブックオフに足を運ばなくても、需要のある新しめの本を手軽に買えるようになったからでしょう。中でも、メルカリがブックオフの顧客を急速に奪ったのではないでしょうか」

 そう話すのは、古本の売買を副業にする個人。

「これまで、さまざまな方法で古本を売りさばいてきましたが、今では大半がメルカリです。何しろ、スマホで商品を撮影して、簡単な説明を書くだけで出品は手軽。出版から日数のたっていない新しめの本なら、それこそ数分で売れます」

 急速にシェアを伸ばしたメルカリだけでなく、Amazonでも古本の売買は盛んだ。ネット通販全盛の時代にあって、店舗運営を主体としたブックオフは、もはや古い業態になっているのは否めない。

「さらに、業績が悪化した結果なのか、ブックオフでは人気のある本の販売価格を高めに設定するようになりました。メルカリだとかAmazonで買うよりも割高感が出てしまったことで、余計に客離れが進んだのではないでしょうか」(同)

 本が読まれなくなることと、ネット書店の普及によって、新本を売る書店も次々と閉店に追い込まれている。ブックオフも、その流れの中に巻き込まれたといえるだろう。

 ブックオフに生き残る方法があるとすれば、メルカリ並みの値付けと、欲しい本が来店せずとも即入手できるシステムづくりであろう。

 いずれにしても、今ほどの数の店舗が不要になるのは確かだ。
(文=是枝了以)

日刊サイゾー

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