木村花さん誹謗中傷を受けて…総務省が「中間とりまとめ」発表、被害者側の負担が大きい制度に迅速な対応

日刊サイゾー / 2020年7月14日 12時0分

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 総務省の「発信者情報開示の在り方に関する研究会」は7月10日、ネット上の誹謗・中傷など権利侵害に対して、新たな裁判手続きを検討するなどの「中間とりまとめ」を発表した。

 恋愛リアリティ番組『テラスハウス2019-2020』(フジテレビ制作)に出演中だった女子プロレスラーの木村花さんが5月23日未明に亡くなり、その原因としてSNSに大量の誹謗・中傷が書き込まれ、炎上していたことが大きな社会問題となった。

 これを受けて総務省では、「SNS 上での誹謗中傷等の深刻化など、さまざまな権利侵害に関する被害が発生している」として、プロバイダに対する新たな開示項目や新たな裁判手続きなどについて検討を行っていた。

 現状でも、権利侵害情報が匿名で発信された際に、権利侵害を受けたとする者(以下、被害者)が発信者(以下、加害者)を特定して損害賠償請求等を行うことができるように、プロバイダに対して加害者ができる特定情報の開示を請求する権利を定めている。

 しかし、権利侵害が明白と思われる場合でも実務上、プロバイダが発信者情報を任意に開示することは多くないため、裁判手続に多くの時間・コストがかかり、救済を求める被害者にとって大きな負担となっている。

 中間とりまとめでは、新たに追加しようとする開示対象を①有用性②必要性③相当性―から検討を進め、現在は開示対象として規定されていない「電話番号」を追加することが適当とした。

 被害者がプロバイダから発信者の電話番号の開示を受けることができれば、電話会社に対して、弁護士会照会等を通じて発信者の氏名および住所を取得することにより、発信者を特定することが可能になると考えられるためだ。

 さらに、SNS などのログイン時情報も通信経路をたどって発信者を特定することができるため情報開示が検討されたが、「権利侵害投稿時の通信経路をたどって発信者を特定することができない場合に限定することが適当」とした。

 現状では加害者を特定するために、①コンテンツプロバイダに対する発信者情報開示仮処分申立て、②アクセスプロバイダに対する発信者情報開示請求訴訟―という2段階の裁判手続をへてやっと、特定された発信者への損害賠償請求訴訟が行なえる。

 これは、あまりにも被害者側の負担が大きい。このため中間とりまとめでは、「権利侵害か否かが争われている個々の事案に関連する特定のログを迅速に保全できるようにする仕組みについて、新たな裁判手続とともに法改正を視野に制度設計の具体化に向けた検討を深めていくことが適当」としている。

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