ディズニーがオタクを狙い撃ち! 特大ヒットのスマホゲーム『ツイステ』とウォルト・ディズニーの思想

日刊サイゾー / 2020年7月17日 13時0分

──ディズニーのスマホゲームといえば『LINE:ディズニーツムツム』というヒットの例があります。『ツムツム』はミッキーやミニーなど定番のキャラクターが中心だったのに対し、『ツイステ』はかなりターゲットを絞っているように見えます。

中島 明確に、女性のオタクに向けたデザインになっていますよね。『ツイステ』の運営は明言していませんが、ディズニーアニメのヴィランをベースに顔のいいキャラクターがたくさんいて……というのは、ディズニーシーで人気の“手下沼”の影響を感じます。

(※2015年より、ハロウィーンシーズンに、ヴィランズをテーマにしたショー『ザ・ヴィランズ・ワールド』の一環として、その手下たちによる小規模なショー「アトモスフィア」が行われている。従来のディズニーファンに加え、オタク女子の心もつかんで毎年人気を博し、キャラクターグリーティングは長蛇の列ができる。)

 ”手下沼”で、ディズニー・ヴィランズの魅力があらためて見つかったことの影響はあるでしょうね。やはりキャラの立った悪役は魅力がありますから。同時に、ビジネスとしても狙い目だとわかったのでしょう。ディズニーにとって、今やハロウィンシーズンはクリスマスを上回る一番の稼ぎ時とされています。寒い冬のクリスマスより暑くなく寒くもないハロウィンシーズン(秋)は人気なのです。

 ただし、アトモスフィアはステージが小さいので、一度に観られる観客の数が少ないんですよね。しかもシーズン限定なので、“手下沼”のオタクになっても年間通うには動機が弱い。一方でゲームならば、年中関係なく収益を上げられるわけです。『ツイステ』から入った人が、その影響でハロウィンシーズンのディズニーシーに行ってみたいと思うケースも増えるでしょう。

 これは面白い戦略だと思います。創業者であるウォルト・ディズニーの時代には考えられなかった戦略ではないかと。

──どういうことですか?

中島 ウォルト・ディズニーは「我社の顧客は女性とその家族」とうたい、「ファミリーエンターテイメント(家族全員で楽しめるもの)」をコンセプトとして掲げていました。そのコンセプトのもと、母親が夫や子どもを連れて遊びに来るディズニーランドや、家族全員で観られるミッキー等のキャラクターアニメ映画がつくられてきました。

 ウォルトは1901年生まれで、当時のアメリカは今よりずっと早婚の時代です。女性の社会進出が進む前で、20代で結婚して家庭があるのが普通だった。だからこそ「女性とその家族」が顧客として想定されました。ところが、その後女性の社会進出が進み、婚姻率の低下と離婚率の上昇が起こります。アメリカに限らず、先進国はどこもそうですよね。家族向けの市場が縮小して、お一人様市場が拡大しているわけで、ディズニーもそこを獲得しなけれなりません。

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