ディズニーがオタクを狙い撃ち! 特大ヒットのスマホゲーム『ツイステ』とウォルト・ディズニーの思想

日刊サイゾー / 2020年7月17日 13時0分

──たしかに『ツイステ』はファミリーエンターテインメントからは遠いですね。

中島 スマホに向かってやり込むイケメンゲームは、完全にお一人様向けですよね。さらにいうと、2011年の東日本大震災で東京ディズニーリゾートは1カ月以上休業したんですね。これは私の推測ですが、そこであらためて、ディズニー社はリスク分散を考えたのではないでしょうか。ディズニーランドがいくら人気があっても、お客さんを入れられないことには収益はゼロです。ロイヤリティも入ってこなくなる。でもゲームなら、いつでもどこでもできますから。

──とはいえ、お一人様市場の拡大自体は今に始まったことではないと思います。ディズニー社としては、以前からそこは狙っていたのでしょうか?

中島 明確な時期は不明ですが、1998年に私がアメリカのディズニーランド(ロサンゼルスの郊外のアナハイム)に行った際にはすでにシングルライダーがありました。シングルライダーは、4人乗りや3人乗りのアトラクションで、ひとり分の空席ができたときに、ひとりで乗るお客さんが優先的に通される仕組みです。アトラクションの回転率の上昇という目的もありますが、カップルや家族前提ではない、一人客でも楽しめるシステムが当時すでにあったことは確かですね。

──家族単位ではない個人の消費に注目すると、日本ではこういう展開になる……ということですね。

中島 ディズニー社は市場調査をものすごくやる会社なので、日本ではこういうゲームにすれば売上が伸びる、と見込んだのでしょう。それにしても時代は変わったなぁ、と思います。

──『ツイステ』のゲーム内には隠れミッキーがあったり、進めていくとミッキーのシルエットが登場したりして、ディズニーの世界観との接続は匂わされています。一方で、キャラクターはディズニーの絵柄からは程遠いですし、従来のディズニーファンの反発もあるようですが……。

中島 あまりに世界観が違いますからね。でも、それすらも狙いかもしれません。そうした形でも話題になれば、「ディズニーがそんなことをやってるんだ」と興味を持つ人が増える可能性がありますから。

──そもそも日本に「イケメンゲーム」というカルチャーが根付いたからこそ、本来のディズニーらしくない試みも成功したのかもしれませんね。

中島 日本市場で『ツイステ』が成功したら、日本の文化が大好きなアジア諸国でも売れる可能性があるなと思います。特に台湾、香港、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシアは日本のポップカルチャーが受けやすいという土壌があります。しかし、欧米まで届くかというとちょっと未知数です。とはいえ、「ゲームアプリでこれだけ儲けが出る」という前例になれば、ディズニー本社にとって新機軸のビジネスになり得るかもしれない。そう考えると、今後の展開も非常に楽しみですね。

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