「9月入学」の実施に必要な法律改正は33本! 安倍首相の発言で立ち消えた議論の行方は?

日刊サイゾー / 2020年8月8日 20時0分

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のための臨時休校で急浮上した「9月入学」。安倍晋三首相の「困難」発言で議論は一気に終息したが、その後も文部科学省は9月入学の課題整理を続けている。

 2020年2月27日、安倍首相は唐突に全国の小中高等学校などに臨時休業を要請した。その後、臨時休校が長期化するに伴い、学業の遅れに対する懸念などと共に、その対応策として「9月入学への移行」の議論が急速に盛り上がった。

 4月末には小池百合子・東京都知事、村井嘉浩宮城県知事など複数の知事が9月入学への移行へ賛意を表明、全国知事会も「政府におかれては国民的な骨太の議論を行うこと」こと提言し、政府も検討に乗り出した。

 自由民主党では「秋季入学制度検討ワーキングチーム」、公明党では「9月入学含めた子どもの学びの確保支援検討プロジェクトチーム」、国民民主党では「9月入学検討ワーキングチーム」といったように、各党とも検討組織を立ち上げ、9月入学についての検討を開始した。

 半面、日本PTA全国協議会や全国連合小学校長会、日本教育学会などの教育関係者の団体からは“新型コロナ対策として”の9月入学への移行に慎重な意見が多く出されていた。加えて、5月14日から緊急事態宣言が順次解除され、学校再開の動きが広がると9月入学の導入に対する機運は急速に萎んでいった。

 そして、安倍首相が6月2日、9月入学について「法改正などを伴う形での導入は困難」との見解を示したことで、9月入学の導入機運は完全に消滅している。

 さて、 “大山鳴動して鼠一匹”という結果に終わった今回の9月入学の導入だが、これまでにも何度か検討されてきた。G7(先進7カ国)で9月(秋)入学でないのは、日本だけ、G20(主要20カ国・地域)でも半数は9月 (秋)入学となっている。

 確かに、9月入学への移行は「先進国」や「グローバリズム」という観点から強く意識されよう。事実、9月入学への移行によるメリットとして挙げられるものの多くは、例えば海外の大学への入学・留学といったものだ。

 日本の学校教育法施行規則では、小学校の入学を4月と規定しており、これに倣って幼稚園、中学校、高等学校も4月入学としている。一方で、大学については、同規則で「大学の学年の始期および終期は、学長が定める」としており、さらに、「大学は、前項に規定する学年の途中においても、学期の区分に従い、学生を入学させおよび卒業させることができる」と定められている。

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