河井案里議員問題で追い込まれる自民党…辞職をめぐる党内の策謀

日刊サイゾー / 2021年2月8日 21時30分

 2019年夏の参議院広島選挙区を巡る大規模買収事件で、1月21日に東京地裁で懲役1年4カ月、執行猶予5年の有罪判決を受けた河井案里被告が2月3日、議員辞職した。

 秘書を通じて山東昭子参議院議長宛に提出された辞職願は、参院本会議で同日可決。衆議院北海道2区、参議院長野選挙区と同じ4月25日に補欠選挙が行われることになった。

 先に決まった2つの衆参の補欠選挙で「自民党は連敗が確実な極めて厳しい選挙戦」(与党議員秘書)を強いられている。衆議院の北海道2区のほうは、収賄罪で在宅起訴された吉川貴盛元農林水産大臣の議員辞職に伴うもので、自民党は候補者擁立を見送ることを発表し、不戦敗がすでに確定している。

 参議院長野選挙区の補欠選挙は、立憲民主党の羽田雄一郎が20年12月に死去したことに伴い行われるものだが、その父親の羽田孜元首相まで遡る選挙地盤は、今も盤石だ。立憲民主党はすでに、雄一郎の弟の次郎(51歳)の擁立を決めており、選挙は「羽田家の弔い合戦」色が全面に出されるので、自民党にとって極めて厳しい情勢。

 有罪判決を受けた案里被告については逮捕以降、国会に一度も登院しないのに、歳費と文書通信交通滞在費で毎月203万5200円、6月と12月には各310万円超の期末手当などをもらっていることに対する強い批判もあった。

 党内では、“いずれ議員辞職はさせなければならない”という空気が存在したものの、そのタイミングは3月15日以降になると見られていた。なぜなら公職選挙法などにより、3月15日までに欠員が出た選挙区は4月25日の補欠選挙や再選挙を行うことが定められているからだ。案里被告の辞職に伴う選挙を秋にずらすことで、4月25日のダメージを「1敗1不戦敗」の最小限に留めておくのが自民党の腹だったはずだった。

 ここに来て突然、「保守王国広島で、河合案里に代わる候補を立て、1勝1敗1不戦敗に持ち込む」(与党関係者)に戦略が変更された。

 しかし、菅首相を巡る環境は極めて厳しい。日本経済新聞社とテレビ東京が1月29~31日に実施した世論調査によれば、菅内閣の支持率は43%、不支持率は50%で、9月の政権発足から4カ月強で5割に達してしまった。

 逆風は自民党とて同じで、1月31日に投開票された北九州市議選(定数57)は菅政権発足後の初の政令市議選であった。しかし、自民の公認候補22人のうち6人が落選した。同24日に投開票が行われた山形県知事選では、立憲民主党などの支援を受けた現職の吉村美栄子知事が、自民公明推薦の大内理加前県議を約40万票対約17万票の大差で打ち負かした。

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