森喜朗氏女性蔑視発言でマスコミ側の責任は? 世論の後手に回り足の引っ張り合いも…

日刊サイゾー / 2021年2月17日 19時0分

 森喜朗元首相が女性蔑視発言で五輪組織委員会会長を辞任、川淵三郎・日本サッカー協会相談役を後継指名したものの、一夜にして白紙になってしまった。また、2月12日に開かれた組織委「合同懇談会」では、新会長選出に向けた候補者検討委員会を設置することが決定。17日には、橋本聖子五輪相が候補として一本化されたことが発表され、メディアが一斉に報じている。

「『女性蔑視発言』の後任会長だけに、7度も五輪出場経験のある橋本聖子・現五輪担当相はたしかに適任と見られています。これまで丸川珠代・元五輪担当相、シンクロナイズドスイミングの小谷美可子氏の名も挙がりましたが、権謀術数に長けたIOC(国際オリンピック委員会)と対峙していくには役不足、という判断だったのでしょう」(五輪担当記者)

 開催目前にしてのドタバタぶりで東京五輪の行く末に暗雲が垂れ込めることになったが、責任の一端は、ほかならぬマスコミにもあるようだ。

 

「2月3日、日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員で森会長は『女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります』と発言。これが『女性蔑視』とバッシングされたわけですが、当初は日本のマスコミも森氏特有の”毒舌”としてそれほど問題視していなかった。ところが海外メディアが取り上げたことで猛追、慌てて『ジェンダー(性別)バランス』を声高に叫び始めた。また川淵三郎氏が森氏に後継指名され、会長に決まったかのように報じたかと思えば、『不祥事で辞める人の指名はおかしい』との世論がSNS上で高まると、急に批判に転じ、引きずりおろす側にまわるなど、していたんです」(組織委関係者)

 ある海外メディア記者も首をひねる。

「森氏の今回の発言を批判するのは当然としても、週刊誌や情報番組は森氏の過去の言動をほじくり返し、池に落ちた犬を叩く状態でした。これまで日本のマスコミが森氏をいかに甘やかしてきたのかを、世界に向けて恥をさらしているようなものでした」

 マスコミ側の事情もあるようだ。前出の担当記者は、「運動部と政治部の違いがあった」と弁明する。

「森氏が元首相とはいえ、組織委を取材する記者は主に運動部。スポーツを愛する森氏や川淵氏は、担当記者を大切にします。川淵氏が自宅に殺到するマスコミに丁寧に応じたのは、そのためですし、そもそも競技団体ではトップによる後継指名は当たり前なので、運動部は何の疑問も感じなかった。今回は、国会で取り上げられるなど話が大きくなりすぎ、政治部が出張ってくる状況となって、社内でも方向性がブレてしまったのです」

 政治部記者が自戒を込めて語る。

「橋本氏の名が浮上したのも”頭の体操”であって、実は正式な打診はされていなかったんです。橋本氏で一本化報道と同じタイミングで『文春』が、2014年のソチ五輪閉会式後の打ち上げパーティーで、橋本氏が酔って高橋大輔選手にキスするセクハラ行為をしたことをクローズアップして報じました。これで橋本氏の会長が頓挫して人選に難航すれば、日本の人材不足を露呈することになる。われわれもいつまでも国内で足の引っ張り合いをしている場合ではないのですが……」

 世界から、日本のコロナ対応だけでなく、マスコミも注視されていることを自覚すべきだろう。

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