『5時に夢中!』卒業から1カ月半......"逸見家のドラ息子"逸見太郎はいま

日刊サイゾー / 2012年5月25日 8時0分

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 東京ローカルのテレビ局・TOKYO MXにて、月曜日~土曜日に生放送中のワイドショー番組『5時に夢中!』(土曜は『5時に夢中!サタデー』)。

 マツコ・デラックス、岡本夏生、中村うさぎ、岩井志麻子、中尾ミエなど日本が誇る個性的なコメンテーターたちが曜日替わりで出演。ニュースや世相を歯に衣着せぬ過激発言で一刀両断する攻めの姿勢が支持され、業界関係者や新宿二丁目界隈の視聴率が高いことでも知られる。

 そんな同番組の"5代目メインMC"を務め、今年3月末で卒業となった逸見太郎。アナウンサー・司会者として生前、絶大な人気を誇った逸見政孝を父に持ち、その裕福な環境から「逸見家のドラ息子」と揶揄されることも多かった彼が、この番組で見せた父親譲りの実直で時におちゃめなMCぶりは好評を博した。

 特異な共演者たちに戸惑いながらも、『5時に夢中!』と真剣に向き合った3年3カ月を振り返ってもらった。

――卒業に関しては、いまだに真相が気になっている視聴者も多いようで。「西原理恵子氏による番組内での不適切発言が原因では?」といった憶測も出ているようですが。

逸見太郎(以下、逸見) その件とはまったく関係ないですね。あの発言の前から、僕が退くことは決まってましたから。

――卒業直後は、どんな心境でしたか?

逸見 正直、「安堵感」と「やり切った感」がありましたね。意外とすっきりしてました(笑)。

――最終日の放送も、いつもと変わらず淡々と進行されていて、「あ、泣かないんだ」って思いました(笑)。

逸見 事前に制作陣から「泣きの演出をするよ」と言われていて、過去の僕の映像をまとめたVTRを流していただいたんです。でも僕は、とにかく番組最後の視聴者の皆さんへのあいさつを大事にしようと思っていたので、ずっと「時間内できっちり言わなきゃ」ということだけ考えていたような気がします。テレビ的には、もうちょっと芝居したほうがいいのかもしれないですけど、あの番組は"作ること"を嫌う出演者が多い番組ですし......。

――卒業後、番組はご覧になってますか?

逸見 拝見してますよ。当然ですが、ふかわ(りょう)さん(6代目メインMC)は、僕の1年目よりとんでもなくお上手で、「ああ、こうやって返すんだ」とか、感心しながら見てます。僕は俳優として映画などに出たことはあっても、司会業も生放送も『5時に夢中!』が初めてで、1年目なんか本当にひどいものでしたから。

――当初、どんなことに戸惑いましたか?

逸見 たとえば、曜日ごとに打ち合わせの仕方から何から違うんですよ。ある曜日ではスタッフルームで打ち合わせをして、ほかの曜日ではコメンテーターのメイク中に打ち合わせをする。マツコ(・デラックス)さんなんかは、「生で臨むのが面白いんだ」という方なので、事前に誰が何を言うか知らない状態で収録に入るんです。そういったそれぞれのスタンスにアジャストしていくのに、非常に苦労しましたね。1年目は、僕の出来があまりにもひどかったので、毎日プロデューサーさんに反省会をしていただき、同録を見ながら、コメンテーターごとに「得意な話」「好きな色」「好きな食べ物」なんかを「野村ID野球」みたいに全部、ノートにメモしてました。

――すごい! そのノート、ぜひ見たいです(笑)。

逸見 1人ずつ傾向と対策を整理しないと、ホント大変なことになるんですよ。

――一番苦戦したコメンテーターは、どなたですか?

逸見 そうですねえ......ノーコメントにしておきましょう(笑)。ただ、「苦手な曜日を作らないように」というのは、ずっと自分に言い聞かせてました。憂鬱な曜日があると、画面に出てしまいますから。

――ちなみに、お手本にしていた司会者はいましたか?

逸見 くりぃむしちゅーの上田(晋也)さんですね。すごくスマートな司会をなさっている印象だったので、参考にさせていただいていました。あとは『報道ステーション』(テレビ朝日系)の古舘(伊知郎)さんは毎晩見ていましたね。

――番組中に最も気を付けていたことは?

逸見 コメンテーターの発言を僕の言葉によってつぶさない、ということですね。ただ同意もしてはいけない。番組全体の意見として捉えられてしまってはいけないので、「そういう意見もありますよね」というスタンスで進めるように心掛けていました。

――コメンテーターの口車によって、逸見さんの性的な話題がフィーチャーされることも多かったですね(笑)。

逸見 エロスに関しては、すごい経験をされている方たちばかりが揃っていたので、取り繕っても、あとで「なんでそういう中途半端な奴が番組やってるんだ。こっちは散々さらけ出してるのに!」って言われかねないわけですね。私としては「いやいや、そこまで聞いてないのに、あなたたちが勝手に言ってるだけじゃないですか」って反論したいけど立場的に言えず、素直に答えちゃうんですよね......。ただそれを繰り返してると、合コンなんかで初対面の女性に、一般的なラインを当たり前に超えたエロい会話を普通にしようとしてる自分がいたりするんです。なので、スタッフとも「俺ら麻痺してないか?」って、よく確認し合ってました。

――確かに、岩井志麻子さんの下ネタを毎週聞いてたら、誰でも麻痺しそうですね(笑)。

逸見 反省会でも「今日は、岩井さんのチンコ対策を考えましょう」ってテーマで、真面目に話し合ったりしていましたから。「チンコ発言は1回はいいけど、2回はダメ」「じゃあ、そこの線引きはなんなんだ」とか。

――夕方の番組の反省会とは思えないですね(笑)。

逸見 反省会で「言論の自由」に関して話すことは多かったですね。「放送禁止用語って一体なんなんだ」とか、「なんでチンコはいいけど、逆はダメなんだ」とか、「パイパンの語源が何か知ってるかい?」とか。

――ちなみに、コメンテーターが反省会に参加することもあるんでしょうか?

逸見 ほとんどないですが、火曜日の岡本夏生さんだけは参加してましたね。岡本さんは、あとから加入されたということもありますが、一緒にみんなでつくっていこうねっていうタイプの方なので、「私も参加するわ!」って反省会に飛び込んできてました。

――そもそもコメンテーターが、ヒエラルキーの頂点に立つワイドショーも珍しいですね(笑)。

逸見 不思議な番組ですよね。そういった番組のスタンスを身体で把握するのにも時間がかかりました。僕の個人的な意見でぶつかって、「おめぇの意見聞いてねえよ」ってさらに大変なことになったりして、「何これ......すごい世界に入っちゃったな」と思うことは多々ありましたよ(笑)。ただ、年下の僕が言うのもおこがましいですけど、皆さんピュアな方ばかりなんですよね。素直にしてるとぶつかることって、大人になると多いじゃないですか。そこをあえてぶつかっていってるところが、彼女たちの魅力なんだろうなって思います。その影響もあり、計算高い女性がどんどん嫌いになっていきましたから(笑)。

――女性といえば現在独身でいらっしゃいますが、ご予定は?

逸見 今まで週7で仕事してたのに、今は月2のラジオくらいなので、ファイナンスの部分を考えるとちょっと難しいなあと(笑)。父親が「金銭面で女性に迷惑をかけたくない」という人だったからなのか、僕も「金銭面は男性がサポートするんだ」っていう意識が強いんですよ。もしかしたら、時代錯誤なのかもしれないですけど......。

――では最後に、逸見さんにとって『5時に夢中!』とは?

逸見 「もっと日本語を勉強して、司会業を極めたい」と思わせてくれた番組ですね。以前は読書が苦手だったんですけど、今は本をまとめ買いして読むことが楽しくて。読書が生活に備わったことは、両親も喜んでくれてるんじゃないかなって思います。それに今、ライムスターのラップにハマッちゃって大変なんですよ。宇多丸(土曜日コメンテーター)さんにいただいたライブDVDを見たり、歌詞を読んでいると、面白い語彙をたくさんぶち込んでくるので楽しくて! 言葉を使ってパフォーマンスしている方々との出会いは、僕を変えてくれましたね。今は日本語を追求して、いつかまた司会業に生かしていけたらいいなと思ってます。
(取材・文=林タモツ/写真=後藤秀二)

●いつみ・たろう
1972年、東京生まれ。高校・大学時代をアメリカで過ごし、帰国後、北野武監督作品『HANA-BI』(98)にて役者デビュー。以後、俳優業のほかタレントとしても幅広く活躍中。今年3月、3年3カ月MCを務めた『5時に夢中!』(TOKYO MX)を卒業。父はフリーアナウンサーだった故・逸見政孝。松山千春の自伝的小説の舞台化『旅立ち~足寄より~』に、松山の恩師であるSTVラジオ・竹田健二ディレクターの上司・制作部長役で出演。公演は、7月30日~8月3日まで東京・草月ホール。


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