肥満人口の増加が価値観の逆転をもたらした、『私はラブ・リーガル』

サイゾーウーマン / 2012年11月26日 13時0分

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[海外ドラマの向こうガワ]

――海外生活20年以上、見てきたドラマは数知れず。そんな本物の海外ドラマジャンキーが新旧さまざまな作品のディテールから文化論をひきずり出す!

 「大人の3人に1人が肥満」だと言われるアメリカ。肥満は深刻な問題になっており、米疾病対策センター(CDC)は何十年も前から警鐘を鳴らし続けているが、肥満人口は増える一方である。成人の68%がBMI25以上(160cmで64kg以上)、33.8%がBMI30以上(160cmで77kg以上)、5.7%がBMI40以上(160cmで103kg以上)であり、このままだと医療費の負担額も増え続けると専門家たちは警告している。

 そんなアメリカでは「肥満退治」を掲げたリアリティ番組が大人気。厳しい減量キャンプでトレーニングを受け、誰が一番痩せたかを競う『The Biggest Loser』、90kg以上の超肥満体の人を集めて「健康のため」の減量をさせる『Extreme Makeover: Weight Loss Edition』、踊りながら減量していく『Dance Your Ass Off』など、たくさんの汗と涙を流しながら減量に励み、「私ができたのだから、みんなも絶対にできる」と呼びかける番組を見て、みんな「本気を出せばできる」と安心するのだろう。

 アメリカ人に肥満が多い原因は、高カロリーなジャンクフードに代表される食生活と、車社会といった運動不足な環境にあるとされている。現代社会ではストレスから食生活が乱れるというパターンも多く、テレビドラマ/コメディにも食生活が乱れた主役が登場する。バリキャリ女刑事の活躍を描いた『クローザー』ではスイーツ中毒の主人公が夜な夜なチョコなどをむさぼるシーンが流れ、女性脚本家が主人公の『30 ROCK』でもジャンクフードやファストフードばかり食べる姿が流れる。そんな姿を見て共感する視聴者がとても多いそうだが、演じる女優は揃いもそろって痩せており、肥満体ではない。

 肥満を差別してはいけない、肥満を笑い者にしてはいない、というアメリカだが、肥満体の役者が主役のテレビ番組は決まってコメディ。しかも、観客の笑い声が入るシットコムである。古くは『ロザンヌ』、今では肥満体の2人の恋愛物語を面白おかしく描いた『Mike&Molly』。『アグリー・ベティ』はシットコムではなかったが、「デブでダサい女を笑いのターゲットにした」作品であることには変わりなかった。

サイゾーウーマン

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