『紅白』はカラオケ!? 生歌・生演奏を衰退させた真犯人とは?

サイゾーウーマン / 2013年3月15日 9時0分

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 フジテレビの“きくちP”こと、きくち伸プロデューサーが、フジテレビ公式サイト内の「きくちPの音組収録日記」で、同局の音楽番組に関して“口パク禁止”と宣言したことが話題となっている。

 きくち氏は、かつて『LOVE LOVEあいしてる』『TK MUSIC CLAMP』『HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP』といった同局の音楽番組を手がけたほか、現在では『新堂本兄弟』『僕らの音楽』『MUSIC FAIR』などを担当。同局の音組番組を取り仕切る有名プロデューサーだ。

 きくち氏は3月5日付の同ブログで、「『MUSIC FAIR』は去る2月6日の会議・全会一致で『僕らの音楽』『堂本兄弟』同様『口パク』を受け入れないことを決めました」などと、同局の主要な音楽番組では“口パクNG”とすることを発表。「歌手であるからには、フツーに歌えることが絶対条件だと思うので」と、その理由を明かし、ネット上では「AKB48や一部のジャニーズタレントなど、口パクが主流となっている歌手は今後出演できなくなるのでは?」などと、波紋を呼んでいる。

 現在では音楽番組で歌手が“口パク”することは当たり前となったが、口パクが広まった当時を知る音楽業界関係者は、次のように解説する。

「1990年代頃から、音楽番組はテレビ局ではなくアーティスト、レコード会社サイドがイニシアチブを握るようになりました。特に象徴的だったのはエイベックスの台頭で、『ヘタな生歌を流すくらいなら口パクで』という意向を示し、テレビ局側もそれに沿うようになってしまった。今ではアイドルだけでなく、生演奏が持ち味であるバンドでさえ、テープに合わせて歌う“カラオケ”スタイルが主流になってしまいました」

 かつての音楽番組では、ほとんどの歌手が生歌で歌唱しており、当然バンドも生演奏だった。しかし、ここまで音楽番組で口パクが広まったのは、テレビ局サイドにとっても口パクのメリットが大きかったからだという。

「制作側からすれば、生演奏は尺やボリュームなどさまざまな調整作業が求められるし、生放送の場合は事故にもつながりやすい。口パクが当たり前となった要因には、ヘタな生歌を披露したくないアーティスト側と、楽をしたいテレビ局の利害が一致したということです」(同)

 大みそかの『紅白歌合戦』(NHK)も、従来は会場のNHKホールに近いスタジオでフルバンドが生演奏し、専用回線で音を会場へ届ける形を取っていたが、昨年からは自前のバンドを入れる歌手以外は、事前に録音された音源をもとに歌う“カラオケ方式”が用いられた。同局は「歌手が歌うバックの映像を歌に合わせて凝ったものにしているため、事前録音が適している」と判断したそうだが、天下の『紅白』がカラオケであることに対しては、疑問の声も噴出していた。

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