「ブスが嫌い」と語る毒舌家・坂上忍が、それでも女に嫌われない理由

サイゾーウーマン / 2013年12月27日 16時26分

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羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「(間取り図を見て)これ、興奮する!」坂上忍
『有吉ゼミ』(12月16日放送、日本テレビ系)より

 まぁ、坂上忍、バラエティにでずっぱり、である。

 俳優を本業とする坂上だが、バラエティにおいては毒舌担当である。愛される毒舌について考える時、女心の複雑さは無視できない。現在のテレビ界で、毒舌役はオネエタレントの担当である。彼らがなぜ女性に人気があるかといえば、純粋に面白いことに加え、結婚も出産もしない彼らに人生の先を越される心配がないという意味で安心だからだ。女の嫉妬心を刺激しないのが人気の一因というわけである。

 それでは、「ブスが嫌い」と公言する坂上はなぜ女の敵とならずに、躍進を続けるのだろうか。

 女性なら誰しも、ある程度生きていれば、「男はブスが嫌い」ということはわかるだろう。しかし本音をそのままぶつけられると、それは毒舌ではなく、「言葉の暴力」と感じてしまうものだ。ところが坂上は、このあたりのさじ加減を熟知している。

 坂上は「ブスは嫌い」というが、特定の誰かを名指ししてブスとは言わない。ブス役を担う女芸人と絡む際、嫌な顔をするなど悪役を演じる一方で、名前をちゃん付けで呼び、時折褒めたり笑顔を見せたりと、1人の女性として扱う。世の中には口には出さないが、美人と不美人で露骨に態度を変える男性が一定数いることを考えると、坂上のほうがよっぽど良心的である。

 子役から数えて43年、芸能界の荒波を生き抜いてきた坂上は、仕事に忠実である。「ブスは嫌い」と並ぶ坂上のもう1つの特徴「潔癖症」を生かして、片づけられない女・キンタロー。の部屋を整理するというテレビ企画があったが、「あの顔で片づけられないって」と文句を言いつつも、なぜ散らかるのかの説明を交えながら、黙々とミッションを遂行する。その姿は「ブス嫌いで潔癖な面倒な男」ではなく、「口は悪いけど、頼りがいのあるいい人」に見えてくるから不思議である。最近、坂上は自称ブスな女性から握手を求められるそうだが、男からの冷遇や無視を経験したことのあるブス女性には、坂上の公平な接し方が魅力的に映るのだろう。

 意外なところで好感度を稼ぐ坂上だが、悪役としての本分を超えることはない。冒頭の発言は、坂上が不動産物件の間取り図を見た時の言葉である。バツイチで結婚願望がなく、潔癖症のために家に女性を入れない坂上がなぜ家を買うかといえば、7匹の愛犬が自由に走り回れる場所がほしいからだそうだ。結婚願望がなく、極度の潔癖症の坂上は女性を家にいれない。女より愛犬との生活の方が興奮する「変わり者」なのだ。

 坂上が独身であることは非常に重要である。坂上の「ブスは嫌い」発言を不快に思う人もいるだろうが、坂上が独身でいることで、「性格が悪いから、結婚できないんだ」とアンチ坂上は溜飲を下げられるのだ。

 家族という「保険」を持たない故に毒舌キャラとして愛される坂上忍は、一種のオネエである。彼の人気を支えているのが、「女に上から物を言われたくない」「先を越されたくない」いう女たちの鬱屈であることが、時に切なくもあるのだけれど。
(仁科友里)

サイゾーウーマン

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