必死さがアダに?木村拓哉「A LIFE」初回が残念だった3つの理由

デイリーニュースオンライン / 2017年1月16日 20時0分

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 木村拓哉(44)がSMAP解散後初の主演を務めるドラマ『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)が15日にスタートしました。初回平均視聴率は14.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)とのことで、まずまずの好発進。とはいえ、あれだけTBSが力を入れてこの程度か、という見方もできます。

 このドラマ、木村拓哉を支える共演者に竹内結子、松山ケンイチ、浅野忠信、及川光博、木村文乃、菜々緒など主役級ばかりをそろえた、ちょっとぜいたくな布陣。年明けからはあらゆる番組にキャストが登場し、しつこいくらいに番宣していました。こうした"必勝態勢"は、裏を返せば制作側に余裕がないことの証。実際にドラマを視聴してみても、木村拓哉に低視聴率を取らせるわけにはいかないという制作側の必死さが少し悪いほうに作用しているように感じられました。そこで、「A LIFE」の残念ポイントを3つの点に絞って挙げてみたいと思います。

●1.やっぱり役者をそろえすぎ

 今回のドラマのように主役級の役者をそろえてしまうと、その1人1人に存在意義なり見せ場なりをしっかりと作る必要が生じ、結果的に主人公や話の軸がぼやけてしまうという弊害が起きます。大病院の中で奮闘する若手医師たちの群像劇だったらそれも良いのでしょうが、「A LIFE」はどう見ても違います。

たとえば初回では、外科部長・羽村圭吾(及川光博)と同じく外科医の井川颯太(松山ケンイチ)が木村拓哉演じる外科医・沖田一光を好意的に思っていない描写がありました。ところが、手術のシーンになるとそんな2人が沖田をしっかりサポートしてくれる様子が描かれます。大病院じゃないから現実的に人手がそれしかないとはいえ、心情の描写がすっ飛ばされちゃってなんだか違和感ありまくり。なんだかんだ言って手伝ってくれることにより、結局この2人もいい奴になってしまい、対立軸が生まれません。

●2.手術のリアル描写って必要?

「A LIFE」は、医師の指導の下、役者さんたちが吹き替えなしで手術シーンに挑んでいるのが見せ場のひとつ。医療スタッフの動きも徹底して実際の現場を再現したそうで、番組公式サイトによると、第1話の初回の手術シーンだけで9時間を撮影に要したとのこと。

 まあ確かにすごいんですが、ドラマって「それって見てておもしろいですか?」という単純な疑問に尽きるんじゃないでしょうか。役者さんにそんなことを9時間もやらせるくらいだったら、もっと他のシーンの演技や演出を深めるのに使ったほうが有意義なんじゃないですかね。手術シーンそのものは淡々と描かれ、医療関係者からは「結構忠実だった」と評価されているようですが、その反面盛り上がりには欠け、カタルシスも感じられません。

●3.木村拓哉の努力家設定がつまらない

 木村拓哉が一番しっくりくるのは、「HERO」に代表される「型破りな主人公が奇想天外な発想と持ち前の行動力で、周囲の批判をよそに物事を解決する」というスーパーヒーロー像。ところが今回の役は、公式サイトによれば「超一流の手術の腕を持つが、華々しいスーパードクターではない」というなんだかよくわからない設定。どう考えても、スーパー女医が活躍する「ドクターX」のパクリと言われないようにと意識してます。

 ただ、この時期に木村拓哉を主演に据えて医療ドラマをやっちゃう時点で、ハッキリ言って詰んでます。彼を主演にする以上、木村拓哉がヒーロー的に活躍する物語にならざるを得ず、どうがんばってもドクターXのパクリと批判されるのは必至。かといってそれを回避しようとすると、どんどんつまらなくなっていきます。

「ドクターX」は、スーパードクターがその腕でうるさい奴らを黙らせてスカッとさせる勧善懲悪構造が視聴者に支持されているのは数字的に明白。この型を破ろうとすればするほど、多くの人がおもしろいと感じるストーリー展開からは外れていきます。「A LIFE」は「ドクターX」のパクリ批判を恐れるあまり、恋愛要素や不倫などのネタをストーリーに絡めてきたのでしょうが、邪魔としか言いようがありません。制作陣も役者陣も力が入っていることはひしひしと伝わるものの、いまひとつ爽快感がなく、日曜夜に観るにはちょっと重々しい「A LIFE」。開き直って、「キムタク王道ドラマ」の本筋を突き進んでほしいと思います。

文・中島千代

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