【韓国内乱】最後は逮捕で去っていく”朴槿恵大統領”とは何だったのか?

デイリーニュースオンライン / 2017年4月8日 12時0分

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 母親が暗殺され、急遽、留学中のフランスから帰国。大統領だった父(注1)のファーストレディ役を務めることになる。が、その父も1979年に暗殺されるなど、最初から彼女には悲劇の匂いが付きまとっていた。

 大韓民国第十八代大統領、朴槿恵氏(65)がついに逮捕された。韓国、いや東アジアにとって、彼女の4年に及ぶ治世は何だったのか──。

 今回、<大統領経験者から3人目の逮捕>とする報道が多かったが、前の二人(盧泰愚氏・84と全斗煥氏・86)は退任後のお縄。朴槿恵氏の場合は任期中に罷免され、失職した韓国史上初の大統領となってしまった(注2)。

 そこまで朴槿恵氏を追い詰めたのは、いわゆる崔順実(チェ・スンシル・60)疑惑。友人と称する怪しい女を国政に介入させ、その過程で収賄があったと認定されてのことだ。それが妥当かは韓国の司法を信じるしかない(注3)が、就任当初は60%を超える高い支持率を誇った彼女への国民の憎悪は、果たしてそれだけが原因だったのか?

「崔順実疑惑の前のセウォル号沈没事件へのまずい対応で、朴槿恵大統領株は急降下した。加えて韓国特有の国民感情もあって、支配層が失敗すると、いつも大衆とメディアがカサにかかって攻め立てる騒ぎになる。財閥令嬢を叩きまくった<ナッツリターン騒動>(注4)もそうだが、儒教的な上下関係が息苦しい社会だけに、上が下に落ちてくると異様な興奮状態に陥るケースが多い」(韓国通ジャーナリスト)

 もちろん長きにわたる経済の低迷や、中国とアメリカを天秤にかけたあげく両方から距離を置かれた外交手腕の拙さ、などなど。政治家としての朴槿恵大統領の力量に対して、不満が高まっていたことも背景にある。

■朴槿恵の功(?)罪

 日本にとっては、いわゆる<告げ口外交>(注5)などで、就任当初から露骨な反日姿勢の目立つ大統領だった。よく指摘されるが、父の朴正煕は大統領時代に日韓の国交を回復したことで、<親日派>と見られることが多い。ゆえに朴槿恵氏は支持を得るために必要以上に反日となった、と。

 ……いい迷惑な話だ。また評価は分かれるが朴槿恵氏が任期中に締結した従軍慰安婦を巡る日韓合意が守られていない一因も、彼女の失権にある。反動からか、韓国の次期大統領候補は強硬な反日派ばかりというのも、頭が痛い。

 両親の悲劇的な死、家系のプレッシャー、孤独。一人の女性としてみれば、朴槿恵氏に同情すべき点もある。崔順実などを呼び込んでしまったのも、周囲と信頼関係を築けなかったからだろう。また韓国という土地柄も、彼女に融和よりも攻撃、未来より過去への拘泥を強いたのかもしれない。

 しかし……。

「現在の朝鮮半島は(朝鮮)戦争後では最大級の軍事的な緊張が高まっている。結果責任が問われるリーダーだった彼女には、事態を招いた責任がある。他の失政や罷免されたことを除いたとしても、大統領として高評価はできない」(前出・韓国通ジャーナリスト)

 今後、朴槿恵元大統領にどういう判決が下るにしろ、おそらく特赦(注6)されるはず。父の運命に倣わなかっただけでも、幸いだろう。

(注1)父…大韓民国5~9代大統領、朴正煕。日本名・高木正雄として帝国陸軍軍人だった。
(注2)史上初の大統領…逮捕された時点では、大統領ではない。
(注3)韓国の司法…日本からの盗んだ仏像を「返さないでいい」とするなど、トンデモ判決が多いことで有名。
(注4)ナッツリターン騒動…韓進グループ会長令嬢にして大韓航空副社長などを歴任したチョ・ヒョナ氏が、米国で大韓航空のサービスに激怒。滑走路に向かっていた飛行機を搭乗口まで引き戻した事件。
(注5)告げ口外交…ドイツや米国などと首脳会談する際、日本批判をまくし立てた。
(注6)特赦…前例の二人(逮捕された元大統領)は、特赦された。

著者プロフィール


コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ

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