韓国マッコリ「抗がん効果」の喧伝が裏目に…日本輸出は激減の一途

デイリーニュースオンライン / 2015年4月3日 11時50分

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 ハフィントンポスト・コリアと中央日報によると、韓国製のどぶろく「マッコリ」の底にたまる白い沈殿物の中には抗がん物質「スクアレン」が含まれていることを韓国食品研究院のハ・ジェホ研究グループが明らかにしているという。

 このスクアレンは製造過程で使用される酵母によって作られる成分で、マッコリにおけるその含有量はビールの50倍、ワインの200倍に達するという。スクアレンは深海鮫の肝臓から発見された抗がん、抗腫瘍、抗酸化作用があるとされる物質で、肝油などのサプリメントとしても販売されている。

 また、同研究院では2011年に、同じように抗がん効果をもつ物質である「ファルネソール」も含まれていることを明らかにしている。こうした発表に、マッコリを“抗がん酒”として認識する市民も多い。

健康効果喧伝にネットでは半信半疑の声

 ネット上では、「やはり韓国の酒は体にいいのか、キムチを肴に飲もう!」という意見がある一方で、「スクアレンが含まれているのは酸っぱくなった古いマッコリで、新しいマッコリだとヨーグルトより少ないはずだ。古いマッコリにはむしろ発がん性物質が含まれているんじゃ!?」という物騒な意見や「ワインに抗がん作用があると騒いだ学者たちこそ非難すべきだ。ワインの葡萄なんて農薬だらけなのに。マッコリの話だってホントは疑わしい……」と妙に懐疑主義的な意見もある。

 また、研究者の中には「マッコリで抗がん効果を得ようとすると750cc瓶を13本飲まなくてはならず、かえって体に悪い」と主張する人もいる。

日本へのマッコリ輸入は年々下降の一途

 さて、この「健康によい」とされるマッコリ、2011年をピークに日本の輸入量は激減している。

 マッコリは若い女性の間で「乳酸菌と食物繊維が多く、美容にいい」と評判になり、チャン・グンソクのCMも追い風となってブームが起きた。韓国関税庁の輸出入貿易統計によると、日本への輸出額は2011年に年間4841万8000ドル(約57億円)という史上最大の記録を達成。対日輸出高は海外輸出高のうち91.8%に達していた。

 しかし、2013年には1362万5000ドルとわずか2年で3分の1に激減し、翌2014年にはさらに下降して914万8000ドル。韓国酒造業界が大打撃を受けた。

 この原因としては、朴槿恵(パク・クネ)大統領の「反日外交」で韓国への反感が高まってしまったことや、若い女性の嗜好がよりアルコール度数が低い酒類にシフトしていったこと、新しいスタイルのマッコリが開発されなかったために消費者に飽きられたことなどが挙げられている。

もう一度マッコリのよさを見直してほしい

 だが、マッコリは決して魅力の薄い酒ではない。それを引きたてる肴がある。韓国版のお好み焼きである「チヂミ」と韓国版のピカタともいえる肉や魚、野菜を卵のつけ焼きにする「ジョン」だ。それらを肴に飲むマッコリは至福の一杯ともいえる。

 韓国の田舎酒場ではマッコリをアルマイトの薬缶一杯単位で出しており、薬缶一杯のマッコリを注文すると、おつまみとなる料理がいくつもついてくる店があるという。

 マッコリは本来、政治とは関係のないアルコールに過ぎない。政治問題はさておいて、もう一度マッコリを見直し、たまには素直にチヂミやジョンなど韓国の味と一緒に楽しまれてはいかがだろうか。

 ただ、マッコリをベースにしたカクテルを開発・提案するなど、新たな商品や楽しみ方の切り口を示せなかった韓国の酒造メーカー側にも凋落の原因はあったと思う。消費者というものは飽きやすいものなのだから……。

(取材・文/山田俊英)

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