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韓国誌が報じていた…金正恩「芸能人のタマゴ」大量処刑

デイリーNKジャパン / 2021年2月4日 6時37分

金正恩夫妻とモランボン楽団(朝鮮中央通信)

韓国誌・月刊朝鮮が昨年の10月、衝撃的な記事を報じていたのを最近見つけた。記事のタイトルは、「【単独】北の金正恩、性売買を行った女性を大量処刑」というもので、次のように伝えている。

「金正恩は、売春をして摘発された女性を大量に処刑したという。殺された女性たちは、われわれで言うとYG、SMのような有名プロダクションに所属する芸能人であることがわかっている」

ここで言われているYG、SMとは、BLACKPINKや少女時代が所属する韓国の芸能事務所のことである。北朝鮮でこれらと同じくらいの地位にある芸能人と言えば、モランボン楽団や三池淵管弦楽団ということになるだろう。北朝鮮では確かに、有名芸能人が処刑された例がいくつもあるが、月刊朝鮮の報道が事実ならきわめてショッキングだ。

(参考記事:【写真】美人女優ピョン・ミヒャンの公開処刑で幕を閉じた「禁断の映画」摘発の内幕

しかし、同誌の報道をよく見ると、「処刑された」とされているのは正しくは有名芸能人ではない。昨年7月に北朝鮮の首都・平壌で摘発された大規模な組織売春、名付けて「女子大生クラブ」事件の延長線上の話だ。

同事件では、平壌音楽舞踊大学、平壌演劇映画大学など芸能人の養成校の女子学生らが売春させられていたことに金正恩党委員長が激怒し、組織の主要メンバー6人が公開処刑されたと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。つまり、売春に動員されていたのは芸能人ではなく、「芸能人のタマゴ」といったところだろう。

現在の北朝鮮には売春を行う女性が少なくないとはいえ、その多くは農村や都市貧困層の女性たちだと考えられていた。都市部の学生にもそういったケースがあると伝えられてはいたが、平壌のエリート学生が200人も動員されていたというこの事件には驚かされた。

RFAの情報筋は、「中央教育当局は芸能専門大学に対し、毎日のように経済課業(上納金)の指示を下しており、各大学は学生たちからしょっちゅう、あれこれ名目を付けてカネを集めている。そのため家庭環境の厳しい女子学生たちは、売春に追い込まれやすくなっている」と解説している。

経済制裁と新型コロナウイルス対策の貿易停止で中央政府が資金難に陥ったことのシワ寄せが、女子学生たちにまで及んでいるということだ。大学の要求に応じてカネを上納しなければ卒業できず、芸能人になって出世し、それまで支えてくれた家族に報いようという夢もかなわなくなる。

ただ、RFAの報道では、売春に動員された女子大生が大量に処刑されたとの情報までは出ていない。月刊朝鮮の報道が事実なら、RFAやほかのメディアにも捕捉されていておかしくはない。

それでも、「女子大生クラブ」事件に関する情報はRFAだけが報じていたのだが、ディテールに違いはあれど、月刊朝鮮も似た情報を拾っていたことがわかった。この事件に関しては時間の経過とともに、新たな情報が出てくるかもしれない。

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