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結核患者急増も病床が足りず隔離ができない北朝鮮

デイリーNKジャパン / 2024年2月5日 11時10分

非常防疫体制について指導する金才龍内閣総理(2020年2月12日付労働新聞)

かつては「不治の病」とされた結核だが、日本では戦後のペニシリン、BCGワクチンの普及で、すっかり「過去の病」のような扱いをされている。しかし、各自治体は「今でも年間1万人近くの患者が発生し、うち1600人が亡くなるわが国では最大の感染症」(奈良市のウェブサイト)などと、注意を呼びかけている。

世界保健機関(WHO)の統計では、2022年に結核にかかった人は1060万人に達し、前年の1030万人より微増した。北朝鮮は13万4000人で、前年より2.4%増加し、「高リスク国」とされている。

特に昨秋から、結核患者が急増している。コロナ対策が緩和されたことで、コロナやインフルエンザが疑われる症状を見せる人と同時に、結核患者も続出しているという。

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、気温が下がり始めた昨秋から、全国で結核患者が増え、道内では順川(スンチョン)、安州(アンジュ)、价川(ケチョン)、徳川(トクチョン)など工場が多く、人口密度の高い地域で結核患者が続出しているという。

(参考記事:製鉄所従業員の8割を結核に追い込んだ北朝鮮のゼロコロナ政策

病院では咳、痰、呼吸困難、胸痛などの症状で病院を訪れた患者のほとんどを、結核と診断を下すほどになっている。ちょっと動いただけで息切れし、日常生活に支障をきたす、喀血、気力減退、神経衰弱、体重減少など症状が悪化した人も少なくないが、ほとんどが適切な治療を受けられずにいる。

結核患者は隔離が必要だが、道内の病院では隔離室の病床が不足しており、患者は自宅で暮らし、何の制限もなく日常生活を送っている。

結核の治療薬は、少なくとも6カ月飲み続けることが求められる。患者が勝手に投薬を中止すると再発するため、WHOは、患者自身に薬を渡さず、医療関係者の目の前で飲んでもらう方法を推奨している。

しかし北朝鮮では、治療薬の不足で6カ月飲み続けることができず、症状が治まれば投薬をやめてしまうケースがほとんどだという。

北朝鮮で感染症専門の医師を務め、脱北後に韓国で医師免許を再取得した高麗大学公共政策研究所主任研究員のチェ・ジョンフンさんは「冬季に気温が下がり、風邪やインフルエンザ、コロナが流行すると結核が再び急増する傾向がある」「風邪で不活性化された潜伏結核菌が活性化したり、免疫力が低下した状態で感染しやすいため」と説明した。

また、「北朝鮮の医療環境では、結核を診断できる技術や施設が十分ではなく、薬も絶対的に不足している。薬を最低6カ月以上、服用しなければならない場合でも、症状が少しでも改善すると薬をやめてしまうため、完治は難しい」と、現地の事情を付け加えた。

かつては韓国から、結核治療薬の援助を受け入れていたが、「敵国」となった今ではそれも途絶えてしまった。患者は、ただ耐えるしかないのだ。

(参考記事:国民の感染症・熱中症よりも「脱北リスク」を気にする北朝鮮

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