プーチンが「赤っ恥」をかかされた“劇的訪朝”のウラ話
デイリーNKジャパン / 2024年6月19日 12時8分
ロシアのプーチン大統領が18日夜、北朝鮮の首都・平壌に到着した。プーチン氏の訪朝は2000年7月以来、24年ぶり2回目。昨年9月、ロシアを訪問して首脳会談を行った金正恩総書記から招待されていた。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信によれば、金正恩氏が自ら空港で出迎えるなど、平壌は盛大な歓迎ムードだ。
同通信は「プーチン同志の訪朝は、世代と世紀を継いで歴史の検証を経て打ち固められた朝ロ関係の戦略的かつ未来志向的な発展をしっかり促し、両国人民の念願である強国建設偉業を力強く牽引する重要な歩みとなる」と意義を強調している。
ところで、プーチン氏は24年前の初訪朝で、金正日総書記(当時)に赤っ恥をかかされた経験がある。
金正日は2000年7月、訪朝したプーチンに「衛星打ち上げに米国の支援が得られれば、弾道ミサイル実験を停止する用意がある」という趣旨の発言をし、直後に沖縄で行われた米露首脳会談でも討議対象になった。
ところが金正日氏はその後、韓国マスコミ社長訪朝団に、先の発言は「笑い話だった」と述べた。「米国が衛星打ち上げに協力するはずがない」という前提の下、「ありえない例え話」をしたところ、プーチン氏が真剣に受け取ってしまったという意味だ。
大統領就任直後、平壌にさっそうと乗り込んだ若きプーチン氏は、結果的に、金正日氏に「おちょくられた」ような形になった。プーチン氏がいまいましく思ったであろうことは想像に難くない。もしかしたらその思いが消えるまで、24年を要したのだろうか。
だが、プーチン氏と金正恩氏は今回、ロシアと北朝鮮の「包括的・戦略的パートナーシップ協定」に署名する見通しだ。ロ包括的・戦略的パートナーシップ」という用語は、ロシアが中国など重要な友好国との関係を性格付けする際に使用してきた用語だ。
(参考記事:「北朝鮮の砲弾でむしろ壊滅的な結果も」ロシア軍、専門家が予想していた)
金正日氏のつまらない冗談で行き違いが生じた当時とは、まるで違う2国間関係に発展する可能性がある。
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