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「性の逸脱」で11人を銃殺…北朝鮮「特権層」の隠微な施設

デイリーNKジャパン / 2024年8月15日 4時2分

韓国デイリーNKは北朝鮮当局が制作した、韓流コンテンツを視聴したなどとして公開批判される人々の映像を入手した(デイリーNK)

共同通信は13日、中国・丹東発で次のように報じた。

北朝鮮北部で7月下旬に起きた洪水の被害を受け、中国側が「将軍楼」や「将軍別荘」と呼ぶ北西部新義州の施設に、北朝鮮が多数の人員を投入して復旧作業を進めていることが13日分かった。北朝鮮の軍高官らの施設とされる。鴨緑江を挟んで中国遼寧省丹東の対岸にあり、共同通信記者が中国側から確認した。

北朝鮮に、軍高官のための様々なサービス施設があることは以前から知られていたが、こうして中国側からの観測情報が出るのは非常に珍しい。

この施設は、中国から観察が容易な国境沿いにあるだけに、機密度はさほど高くないのかもしれない。しかし数ある施設の中には、非常に特殊なものもある。

脱北女性のチョ・ヨナさんは、2019年1月に脱北する以前、白頭山(ペクトゥサン)革命戦跡地の宿営所で軍属として勤務していた。そこには全国から来た人々が思想教育を行う施設がいくつもあったが、それとは別に、将官たち専用の招待所(別荘)もあったという。

チョさんがYouTubeで明かしたところによれば、招待所に常駐して管理を行っていたのは、朝鮮労働党5課により選抜された20代前半の女性兵士たちだった。5課は「喜び組」や警護員など、金正恩氏やそのファミリーにそば仕えする人材を選抜するセクションとして知られる。

そして彼女らの任務は、将官たちが滞在する間、あらゆる意味で「満足」を与えるために奉仕することだったという。早い話、国家が将官たちにあてがう「愛人」たちだったということだ。

北朝鮮の権力者はただでさえ「やりたい放題」なのだが、中でも高官たちは体制に忠誠を誓う限り、合法的にこうした「特権」を享受できるわけだ。

だからと言って、やり過ぎれば命の保証はない。

たとえば東亜日報記者で脱北者でもあるチュ・ソンハ氏は自身のブログで、1995年に11人もの高位幹部が「性の狂宴」を摘発され処刑された事件について伝えている。

処刑されたのは、朝鮮労働党江原道(カンウォンド)委員会の組織担当書記、チョン・ドンチョルをはじめとする地方幹部たちだ。

東海岸にある江原道の元山(ウォンサン)は、海路で祖国訪問する在日朝鮮人の玄関口になってきたこともあり、複数の休養所(リゾート宿泊施設)がある。その中の「3閣」と呼ばれる施設が、高官たちのアジトになっていたという。

彼らは権力にものを言わせ、そこへ夜な夜な女性を連れ込んでは、「やりたい放題」を繰り広げていた。しかしあるとき、国家安全保衛部(秘密警察)を通じて彼らの行状が金正日氏に報告され、11人が処刑される運びとなった。

(参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

だがそもそも、幹部たちの行状は金正日氏を見習ったものだ。彼の父(金正恩氏の祖父)である故金日成主席の時代には、幹部たちの性的スキャンダルは厳罰の対象だったと、チュ・ソンハ氏は説明する。それを「不問」にしたのが、誰よりも乱れた生活を送っていた金正日氏だった。

ではなぜ、金正日氏は11人を処刑したのか。チュ・ソンハ氏は言及していないのだが、おそらくは特定の幹部らが派閥を形成することに対するけん制だったのではないだろうか。

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