北朝鮮の若者が激しい拷問の中で告白した「魂の叫び」
デイリーNKジャパン / 2024年12月6日 8時2分
北朝鮮のある住宅街で非公式の会合を開き、自由社会への憧れを語り合っていた20代の青年たちが保衛部(秘密警察)に逮捕されたことが分かった。
平安南道(ピョンアンナムド)の情報筋は5日、韓国デイリーNKに対し「頻繁に会合を持ち、韓国と米国をはじめ資本主義社会で作られた映像を見ながら、自分たちが置かれた現実を嘆いて自由を熱望していた順天(スンチョン)市の20代の青年6人が先月中旬、保衛部に逮捕された」と伝えた。
情報筋によると、彼らは皆、大学卒業後に行政機関などに籍を置きながら、ワイロを払って出勤免除を受け、それぞれが商売をして暮らしながら週に一度の会合を持っていた。
当初は国内の様々な問題への不満を吐露し合う程度だったが、非公式の集まりとして定着してからは、韓流ドラマなどを一緒に見るようになり、その過程で彼らは自由社会に対する好奇心と憧れを強めるようになった。
実際、保衛部に捕まって調査を受ける過程でも、彼らは「社会主義体制下の硬直した文化と文化的統制の中で『外の世界』に対する好奇心と熱望を抱いた」と告白したという。
(参考記事:北朝鮮女性を追いつめる「太さ7センチ」の残虐行為)
本当にこの青年らが、こうした表現で告白したのなら、非常に衝撃的な話だ。保衛部の取り調べは激しい拷問を伴う。その中で社会主義体制を批判し、外の世界に対する熱望を語ったのなら、それは死を覚悟した「魂の叫び」と言っても過言ではない。
彼らが非公式の集まりをしているという事実は、町内の情報員(スパイ)から保衛部の耳に入ることになった。 以後、保衛部は彼らの家を捜索してUSBを発見したが、ここには禁止された韓流ドラマと西洋音楽、国内で放映されなかったサッカーの試合の動画などが保存されていたという。
このような内容は平安南道の朝鮮労働党委員会にまで報告された。これに対し道党は今回の事件を「政治思想的問題」と規定し、外部文化流入遮断のために取り締まりをより一層強化しなければならないとの方針を掲げたと伝えられた。
(参考記事:「見てはいけない」ボロボロにされた女子大生に北朝鮮国民も衝撃)
情報筋は「道党は青年層の思想変化を党で絶えず統制しているにもかかわらず、資本主義文化を渇望する青年たちが増えており、見えないところでこれを充足しようとしているということに注目した」とし、「3人以上集まらないように保衛・安全機関が徹底的に監視しなければならないと指示した」と説明した。
一方、逮捕された6人の青年はまだ予審中だというが、重罰は免れないだろう。
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