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北朝鮮の「新年カレンダー」に現れた変化

デイリーNKジャパン / 2024年12月19日 16時42分

2017年の北朝鮮のカレンダーに登場した高麗航空の客室乗務員たち(デイリーNK)

カレンダーですら政治性を帯びるのが北朝鮮だ。

北朝鮮当局は2025年のカレンダーの配布を始めた。そこからは今までのカレンダーにあったものが抜けていた。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

中国・丹東の情報筋によると、丹東所在の北朝鮮企業に12日、2025年のカレンダーが配布された。

情報筋がまず注目したのは、年の表記だ。

「今回の新年のカレンダーからは、北朝鮮式のチュチェ(主体)年号が削除されている」

チュチェ年号とは、故金日成主席が誕生した1912年を元年とする年号のことで、1997年から使われてきた。具体的にはこのような表記だった。

チュチェ113(2024)年

これが10月12日を最後に北朝鮮国営メディアから忽然と姿を消した。その後もしばらくは、記事の末尾の日付に年号が残っていたが、システムの改修が終わったのか、過去記事も日付からもチュチェ年号が消えた。

これは祖父の金日成氏、父の金正日総書記の存在を小さくし、金正恩総書記が自らの神格化を前面に押し出す方向に舵を切ったためと見られている。

(参考記事:北朝鮮「チュチェ年号」の使用を中止…金正恩氏の神格化進行か

だが、一方で情報筋はこうも伝えている。

「今年4月に太陽節、光明星節という用語を使うなと指示したと聞いているが、新年のカレンダーにはそのまま表記されており、首を傾げている」

太陽節は4月15日の金日成氏の生誕記念日、光明節は2月16日の金正日氏の生誕記念日のことだが、これが削除されずにそのまま残っているというのだ。

中国・瀋陽の朝鮮族の情報筋も、領事館から配られたカレンダーに太陽節、光明星節の表記が残っているとして、次のように述べた。

「今年に入って北朝鮮は金日成、金正日の神格化を形どったものを廃止しつつあるが、現在配布されている2025年の北朝鮮のカレンダーには太陽節と光明星節が表記されていて、とても異例の現象だと思う」

(参考記事:「永遠に不滅の存在」を消しにかかる金正恩に戸惑う北朝鮮国民

この理由について、いずれの情報筋も言及していない。今年に入ってから北朝鮮当局が使用を始めた「2月名節」「4月名節」「2.16節」「4.15節」という呼び方が、2月16日にも使われるのか、あるいは「光明星節」という名称が復活するのかについては、その日が近づくにつれ明らかになるだろう。

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