「百年に一度の水害にも耐える」金正恩氏、復興住宅竣工式で演説
デイリーNKジャパン / 2024年12月23日 14時38分
今夏の水害で甚大な被害を負った北朝鮮・平安北道(ピョンアンブクト)の被災地で21日、復興住宅の竣工式が行われ、金正恩総書記が参加した。朝鮮中央通信が伝えた。
金正恩氏は演説で「今日われわれは130余日にわたる困難な災害復旧建設を通じて水害地域に永久の保護障壁を築き、地域人民の生活の場をつくり上げた」と自賛。
さらに、「またもや百年来の大水に見舞われても、ここ鴨緑江下流地域は何の被害も受けないであろう」と誇った。
一方、「今回の水害が自然の気紛れによるものだけではなく、厳密に分析してみれば、わが国の当該災害防止機関に整然たる体系が確立しておらず、それに幹部の無責任さと無警戒さが原因となって起こった人災であった」と指摘。
続けて「復旧過程によって必ずその代価を知り、反省してみなければならないと決心した。そして、そのような体験が今後の危機対処のためにもわれわれにはどうしても必要であると思った」と述べた。
同通信の報道全文は次のとおり
平安北道被災地の住宅竣工式が盛大に行われる
敬愛する金正恩総書記が竣工式に出席【平壌12月22日発朝鮮中央通信】以民為天、一心団結、自力更生の理念を高く掲げ、文明・富強な未来を徹頭徹尾われわれの方式、われわれの力で手繰り寄せている偉大な朝鮮労働党の革命指導は、全国の人民を愛国の旗印の下に固く結集させ、その巨大な団結の威力で折り重なる困難を乗り越えながらこの地に世紀的変革の新時代を限りなく開いている。
朝鮮式社会主義の優越性と不敗性をはっきり実証し、酷い自然災害を被った平安北道と慈江道、両江道の水害地域に現代文明が凝縮した理想的な「農村文化都市」、理想村が次々と建設されて意義深い竣工を迎えた。
わが人民のために、祖国のために今一度危機を踏み越えて力強く立ち上がり、奇跡的な成果を収めようという党中央の熱烈な呼び掛けを心に受け止めて災害復旧戦場に志願した全国の党員と人民軍将兵、白頭山英雄青年突撃隊員をはじめとする全ての建設者と支援者は、わずか4カ月余りの短期間にいかなる大水にもびくともしない堅固な堤防と数千世帯分の近代的な住宅、託児所と幼稚園、学校、病院、診療所などを立派に打ち建てることで、試練の中で一層強くなり、忠誠と愛国の絶え間ない創造闘争によってさらに強固になるチュチェ朝鮮特有の不敗の力を力強く誇示した。
祖国の歴史にもう一つの大変革を記したこの驚異的な現実は、人民のための苦労を無上の栄光と見なし、人民の安泰と福祉のための愛民献身の不滅の道程を歩み続けてきた敬愛する金正恩総書記の崇高な人民観、卓越した指導がもたらした貴い結実である。
12月21日、平安北道被災地の住宅竣工式が盛大に行われた。
朝鮮労働党総書記で朝鮮民主主義人民共和国国務委員長である敬愛する金正恩同志が、竣工式に出席した。
歓迎曲の響く中、金正恩総書記が到着すると、全ての参加者は国政の万事を人民のためのことに無条件に志向・服従させ、人民の夢と理想を素晴らしい現実として実現していく偉大な人民の領袖、慈父を仰いで感激の歓呼の声をあげた。
金正恩総書記は、党への絶対的な信頼と社会主義の強い信念を持って突き当たる困難を果敢に乗り越え、水害地域に人民のよりどころを立派に打ち建てた全ての建設者に熱烈な戦闘的あいさつを送った。
朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員会の委員らをはじめとする党中央指導機関のメンバーと被害復旧司令部の幹部、平安北道と新義州市、義州郡の幹部、勤労者、建設に動員された人民軍将兵、白頭山英雄青年突撃隊の指揮官と突撃隊員が参加した。
朝鮮民主主義人民共和国国歌が荘重に奏楽された。
敬愛する金正恩総書記が竣工式を記念して意義深い演説を行った。
金正恩総書記は、今日われわれは130余日にわたる困難な災害復旧建設を通じて水害地域に永久の保護障壁を築き、地域人民の生活の場をつくり上げた誇るべき結果を総括しながら意義深い竣工式を持つことになったとし、この壮大な変化はわが党が正確な決心を下し、甲斐のある仕事をやり遂げたという自負と共に、社会主義理想がいかに立派であり、自らの力と奮闘で困難をはねのけて進むわれわれの偉業がいかに神聖で、栄誉あるものであるかを再三実感させていると誇りに満ちて述べた。
金正恩総書記は、人民の安寧と福祉を最優先視するわが党の政治理念と構想を実現するためにむし暑い夏から寒い冬まであらゆる苦労に耐え、しっかりと闘って朝鮮式社会主義の本態と将来が映っている近代的な農村文化住宅地区を立ち上げたわが軍の将兵と青年突撃隊隊員、平安北道の幹部と勤労者、各地の支援者に党中央委員会と共和国政府を代表して深い感謝を送った。
金正恩総書記は、今日のこの竣工式は、国家の根本であり全てである人民を絶対的に崇め、奉仕する朝鮮式社会主義の偉業がいかなる困難をも乗り越え、力強い前進を続けていることを誇示する重大な契機となるとし、このように復旧を完了してみると、またもや百年来の大水に見舞われても、ここ鴨緑江下流地域は何の被害も被らないであろうという自信も持つようになり、従前の面影を一新した島で新しい生活を始めるようになったという安堵感で喜びを禁じ得ないと述べた。
金正恩総書記は、設計から完工に至るまで、数カ月しかならない工事期間においても、位置や貨物輸送においても最も不利な状況の中でこのような結実をもたらしたこと自体が建設史の奇跡と言えるとし、ただ水害被災民と固く約束し、党決定で採択した完工期日を何度も延期して寒さが厳しくなった年末に完工しなければならなくなったのが本当に申し訳ないと述べた。
金正恩総書記は、今までいかに困難な状況の下でも、はては非常防疫期間にも重要建設を連続的に展開し実行してきましたが、今度のように緊張して工事期日を保障したことはなかったとし、計画を策定する上で予断に欠けていたことをはじめ、建設過程で幹部の間で現れた非現実的かつ非科学的な弊害について指摘し、次のように続けた。
実際、今回の水害復旧を始めるとき、各国と国際機関がわれわれに支援の意思を表明しましたが、われわれがあくまで自力に依拠する問題処理の方式に一貫する決心を披瀝したのは、われわれの力に対する自信と共に、この膨大な工事を通じてさらに育み、さらに強めなければならない自力の精神的・物質的資産が何よりも貴重だったからです。
また、今回の水害が自然の気紛れによるものだけではなく、厳密に分析してみれば、わが国の当該災害防止機関に整然たる体系が確立しておらず、それに幹部の無責任さと無警戒さが原因となって起こった人災であったため、私は自らの復旧過程によって必ずその代価を知り、反省してみなければならないと決心しました。
そして、そのような体験が今後の危機対処のためにもわれわれにはどうしても必要であると思いました。
このたび、われわれが他人の援助を望んだならば、このように立派な変革を成し遂げられないのは言うまでもなく、われわれ皆が肌身で感じる貴重な誇りもなかったでしょう。
今回の災害復旧事業は、単に不意の災厄を解消するためのことではなく、将来に責任を持つ姿勢で世紀的な変革を遂げる事業であるため、必ずわれわれの力によってのみ勝利を達成できる闘争でした。
わが軍と青年、人民の力を信じて全国の団結した威力で必ず災害復旧を所定の期日内に終えて、いかなる国難も自力で切り抜ける主体的力を大きく培おうとするのが党の意図でした。
今一度自活自決の精神を培うことのできる契機でした。
金正恩総書記は、しかし、このような重大な政治的意義が付与された事業が、幹部の非科学的な活動姿勢によって初期に考えた通りに進展できなかったとし、建設事業を科学的な土台の上で行っていない原因と弊害、そこから汲み取るべき深刻な教訓について指摘した。
金正恩総書記は、新年に入って社会主義の全面的発展に関するわが党と政府の構想を正確に反映し、地域人民の理想にも合致する地域の新しい計画活動に着手することになるとし、次のように続けた。
連続的かつ立体的な活動を展開し、この地域を社会主義の理想郷に作り変えるためにわが党が下した重大決定を貫徹しなければなりません。
ここのこの展望計画図が示しているように、われわれは来年に威化島とタジ島に数百ヘクタールの温室総合農場を建設することを予定しています。
ここ数年間に東海地区の仲坪と連浦、そして首都平壌に大規模の近代的な温室農場を建設し、温室野菜生産の経済的効率を検証しましたが、やがてここにも温室の海が広がると人民の生活向上でより大きな歩みを踏み出すようになるでしょう。
われわれはこの温室総合農場の建設を人民軍部隊と白頭山英雄青年突撃隊に分担し、激しい競争熱の中でわれわれの創造力が再び誇示されるようにしようと思っています。
また、温室野菜生産の科学化・集約化・工業化のための科学技術研究及び普及拠点として近代的な野菜科学研究所と試験栽培温室も建設し、一部の住宅と便益施設も新たに建設して、島地区を発展の潜在力を持つ新時代のモデル農場に作り上げる予定です。
これと並行して、鴨緑江下流の島と新義州市、義州郡の護岸堤防を一層強固に補強して、この地域を二度と被害を被らないよう完全に要塞化し、新たに立ち上がった住宅区に政治・文化生活拠点とサービス施設のような公共建築も建設することをはじめ、少なからぬ仕事がわれわれに提起されています。
われわれは決して今日の成果に満足したり停滞してはならず、このような建設事業は国の国境関門都市を近代的に一新させようとする党の構想を実現する上で必須の工程となります。
ちなみに、われわれは今後、新義州市を社会主義朝鮮の発展ぶりと威力を直接見ることのできる現代性と独創性、民族性の具現された発展的な都市に改造することを計画しています。
まず、この島地域を立派に整備し、新義州市まで改造すると、西北部の地方都市が実に素晴らしい地域文化と発展潜在力を持つようになるでしょう。
金正恩総書記は、文明と繁栄への早道は開かれており、その成功への疾走はわれわれの闘争にかかっているとし、建設指揮部は今年の建設過程で蓄積した経験と教訓を踏まえて工事の作戦と指揮を責任をもって用意周到に行うことによって、党決定の完璧な実行を保証しなければならないと述べた。
白頭山英雄青年突撃隊と青年同盟の活動家たちは、重要対象建設に青年部隊を投入した党の意図を心に受け止め、組織・政治活動と工事の指揮に努めて全隊伍に新時代の英雄青年の百折不撓の前進気概が終始一貫発揮されるようにし、大建設過程が青年を社会主義の不屈の守護者、頼もしい建設者にしっかりと育て上げるよい契機になると見なし、厳しい政治闘争の戦場、壮大な開拓闘争のるつぼの中で彼らをみな祖国と人民を愛し、困難に打ち勝ち、創造する方法を知る時代の頼もしい担い手に育成するために格別の関心を払うべきだと強調した。
金正恩総書記は、建設事業はわが党の思想と政策がはっきり発現される事業であり、現段階においてこの部門の成果はその政治性と直観性、大きな生命力からして人民に革命偉業に対する信念と楽観を倍加させ、国家の発展ぶりを力強く誇示する政治的象徴になるとし、建設事業の展望的発展のために必ず対策を取るべき問題を指摘した。
われわれは新時代の建設革命、地方建設の新しい転機を急進的かつ持続的な軌道に確実に乗せて、全面的国家興隆の歴史的偉業を実際的で同時多発的な変革に引き継がなければなりません。
そのためには、建設の専門性を高めることを重要な政策的要求とし、強力に推し進めなければなりません。
建設の専門化水準を高めてこそ建設の速度と質を共に保障し、支出の効果性を高め、われわれの示した目標へと確実に飛躍することができます。
人数に頼って総動員歌を歌いながら建設を行っていた時代はすでに過ぎ去り、人海戦術によっては、われわれの建設事業が新しい質的飛躍をもたらすべき今日の時代に応えることができません。
建設の専門性を高めるためには、設計と施工陣容、建設装備、この3大要素に重点を置き、不断に改善しなければならないと思います。
金正恩総書記は、実力のある設計家を多く育成することに党と国家あげての力を入れ、地方設計機関を才能のある人で固め、建設実践を通じて彼らの実務水準を不断に高めると共に、設計で機能性と利便性、多様性を保障し、経済的効率と実利を十分に検討し、最適化、最良化の実現に注力しなければならないと述べた。
また、建設単位では従業員の技術技能を高めるための活動を明確な目標と方法論を持って絶えず深化させて、いかなる建設課題も受け持ってやり遂げられる能力を備えるべきであると述べた。
金正恩総書記は、建設の専門化のための3大要素の中で急務は建設装備を改善することであるとし、長期性を帯びる建設事業の特性と世界的な発展趨勢に即して些細な器具・工具から重機械に至るまで近代的な建設装備の生産能力を造成する活動を国家的に展望計画を立てて強く推し進め、建設部門の発展をしっかり保証すべきであると強調した。
金正恩総書記は、わが党と共和国政府は、全国人民の長年の宿望を実現するための聖なる偉業を瞬時の停滞もなしに粘り強く最後まで導くであろうと改めて確言し、再び新しい建設に進入する全ての幹部と人民軍軍人、青年突撃隊員がわが国家の尊厳と名誉を轟かし、地方人民の福祉を早める聖なる誇らしい闘争の参戦者、直接の担当者という栄誉を抱き、強靭な精神力と愛国の実践をもって祖国の繁栄史のいま一つのページを立派に飾るものとの確信を表明した。
金正恩総書記は、全国の温かい祝福の下に新しい住宅で幸福な生活を始めることになった新義州市と義州郡の住民を熱烈に祝い、全ての家庭に幸福と親和が満ち溢れることを祈り、みんなわが祖国の限りない繁栄と人民の福祉のために屈することなく闘っていこうと熱烈に呼びかけた。
金正恩総書記が演説を終えると、偉大な党中央に対する燃えるような欽慕と信頼の念が嵐のような「万歳!」のかん声となって12月の空に限りなくこだました。
金正恩総書記が自ら竣工のテープを切った。
慶祝の花火が打ち上げられる竣工式場は、党中央の大いなる信頼と期待に祖国と人民への献身的な奉仕と頑強な奮闘をもって、新たな建設神話の創造をもって報いるという人民軍将兵と青年突撃隊員の天をつく勢いと戦闘的熱狂によって沸き返った。
金正恩総書記は参加者たちと共に、新たに建設された農村文化住宅区を見て回った。
金正恩総書記は、百年の大計の堤防によって安全地帯となった所に高層、低層の近代的な都市型農村住宅が壮観を成す新義州市下端里の全景を眺めながら、数カ月前、ゴムボートに乗って浸水地域を見て回るときには家を失って苦労する人民に対する思いで心が千斤万斤と重かったここが、見るほど素晴らしい社会主義理想村に変貌した、本当に大変革が起きたと大きな満足の意を表した。
金正恩総書記は、住宅を見て回りながらテレビと家具などの生活必需品を備えてやってよかった、今や被災者が自分の家で何の心配もなく幸せで文化的な生活を享受できるようになった、水災民が「水福民」になったという言葉が生まれたそうだが、なんと良いことなのかと言って喜びを隠し切れなかった。
金正恩総書記は、鴨緑江流域の災害復旧建設過程を通じて、われわれは世界に唯一無二のわが国家固有の一心団結の不敗の力と自らの力に対する信頼を一層固くし、地方中興、農村振興のための新しい発展段階、発展工程を経過するようになったと述べた。
金正恩総書記は、わが党が厳しくて試練に満ちた革命の道程を勝利と栄光につづってくることができたのは、わが人民が党を心から信頼して従い、党の偉業を守ったからである、家事より国事を重んじ、国家のなめる困難を十であれ百であれ共に担い、誠実な汗と努力でこの国をしっかり支えるありがたい愛国者がまさにわが人民である、われわれは世界にまたといないこのように立派で偉大な人民をしっかり守り、より高く崇め、何うらやむものなく豊かに暮らすようにするために一層奮闘すべきであると述べた。
党中央指導機関のメンバーをはじめとする参加者たちは近代的な農村文化住宅区を見て回りながら、偉大な金正恩総書記を社会主義大家庭の慈父として高くいただいたがゆえに、強大なわが祖国の永遠なる勝利と限りない繁栄があり、わが人民と次世代の明るい未来があることを絶対の真理としてより深く刻み付けた。
全ての参加者は、偉大な党の思想と指導に一心忠誠をもって従っていくことで、優れた社会主義わが制度、わが家をより立派に、より美しく整えていく鉄石の意志を固めた。
祖国の西北端に高らかに響き渡った偉大な金正恩同志万歳、朝鮮労働党万歳のかん声は、万難の試練の中でも朝鮮式の発展観、朝鮮式の発展方式を確固と堅持し、文明・富強な明日を確信をもって手繰り寄せている社会主義朝鮮の力強い前進気概を誇示する歴史の巨大なこだまであった。---
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