「対米国で最強硬戦略」党総会拡大会議で金正恩氏
デイリーNKジャパン / 2024年12月29日 17時16分
北朝鮮で朝鮮労働党中央委員会第8期第11回総会拡大会議が12月23日から27日にかけ、党中央委員会本部で行われた。金正恩総書記が出席した。朝鮮中央通信が伝えた。
労働党中央委員会の委員が出席し、主要工場・企業の党・行政責任幹部、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の指揮官らが傍聴した。
金正恩氏が総会を司会した。
金正恩氏は、「今年も昨年と同様、政治、経済、文化、国防、外交などの全方面にわたって新たな変革的局面を開いた意義深い出来事を成し遂げたし、これは朝鮮革命の前進途上で必須的な輝かしい成果である」と述べた。
党中央委員会政治局常務委員会の委員と政治局委員で執行部が選挙された。
総会では以下の議題が上程され、承認された。
1.2024年度の党および国家政策実行状況総括と2025年度の闘争方向について
2.党中央検査委員会の2024年度の活動状況について
3.わが党の新しい地方発展政策と今後の課題について
4.国の教育土台の強化のための一連の措置を実施することについて
5.2024年度の国家予算執行状況と2025年度の国家予算案について
6.党内機構活動について
7.組織問題
金正恩氏は第1の議題について結語を述べた。
金正恩氏は、「わが共和国は、厳しい地域情勢と流動的な国際関係構図の変化に機敏かつ巧みに対応するとともに、神聖不可侵のわが国家の主権的権利をしっかり守り、展望的な国益増大と国威宣揚の立場に立って重要な戦略的意義を持つ成果を収めたし、原則的な対外政策的立場と闘争方向を堅持することで、正義の多極世界の建設を力強く牽引する代表的かつ強力な自主勢力としての国際的地位を確保した」と述べた。
また、「米国は反共を変わらない国是としている最も反動的な国家的実体であり、米・日・韓同盟が侵略的な核軍事ブロックとして膨張し、大韓民国が米国の徹底した反共前哨基地に転落した現実は、われわれにどの方向へ進むべきか、何をどうすべきかを明白に示している」とし、「朝鮮民主主義人民共和国の展望的な国益と安全保障のために強力に実施すべき最強硬対米対応戦略」を宣明した。
さらに、「現代戦の要求と様相に即して、また変化する敵の戦争の企図と遂行方式に対処して朝鮮式戦法の研究を深め、作戦指揮の情報化、現代化の実現に引き続き拍車をかけ、科学的な訓練形式と方法を不断に研究・適用して、人民軍の戦争遂行能力を絶えず向上させなければならない」と強調した。
そのうえで、、「増大する米国と追随勢力の反朝鮮軍事挑発策動に対処して、国防科学技術の加速的な進歩と防衛産業の急速な発展をもって自衛的戦争抑止力の強化を一層確実に保証する戦略・戦術的方針を明らかにし、その実現のための課題」を示した。
総会は、第2議題「党中央検査委員会の2024年度の活動状況について」を討議し、報告で、「新時代の党規律建設路線の貫徹と党事業と党活動を財政的・物質的に裏付ける活動で収めた成果に触れ、各級党検査委員会で現れた偏向的問題が厳正に指摘された」という。
総会は、第3の議題として「わが党の新しい地方発展政策と今後の課題について」を討議し、金正恩氏は「わが党が重要な政治的問題、最大の宿願事業と見なし、最優先の革命課題として強力に推し進めている『地方発展20×10政策』は、全国の人民に10年という短期間に裕福で文化的な新しい生活を提供し、全ての地域の発展水準を飛躍的に向上させることを目的としたわが党と国家にとって、党創立以来、建国以来初めての画期的な決断であり、前例のない膨大な創造闘争である」と述べた。
金正恩氏が、第4の議題に関する結語を述べ、「教育事業はどの時期、どの段階でも優先権を付与し、最大の努力を傾けるべき第一の国事であり、絶えず進歩しなければならない最も責任ある重大事である」と強調した。
総会は、第5の議題の討議に関連して2024年度の国家予算実行状況と2025年度の国家予算案を検討・審議し、第6の議題として「党内機構活動について」を討議し、当該の決定書を一致可決した。
総会は、第7の議題として組織問題を討議し、李永吉(リ・ヨンギル)、崔善姫(チェ・ソニ)の両氏を党中央委員会政治局の委員候補から委員に補欠選挙し、努光鉄(ノ・グァンチョル)、金正官(キム・ジョングァン)、李煕用(リ・ヒヨン)、崔東明(チェ・ドンミョン)の各氏を党中央委員会政治局の委員に、朴泰成(パク・テソン)氏を党中央委員会政治局常務委員会の委員に補欠選挙した。
李煕用(リ・ヒヨン)、金徳訓(キム・ドックン)、金才龍(キム・ジェリョン)の各氏を党中央委員会の部長に任命し、朴泰成氏を内閣総理、金正官氏を内閣副総理に任命した。
金正恩氏が総会を締めくくり、「来年はわが党が創立80周年を迎える意義深い年であると同時に、第8期党中央委員会が自分の活動を時代と人民の前で総括する年であるとし、開拓と躍進の4年間を超越する非常な英知と勇猛、責任ある努力と力強い奮闘をもって、任期の最後の年である2025年をわが党の指導史に最も光り輝く地位を占める歴史の分水嶺につくらなければならない」と述べた。
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