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金正恩「秘密パーティー」に動員された名門女学生たちの涙

デイリーNKジャパン / 2025年1月30日 4時51分

金星学院の学生たち(朝鮮中央テレビ)

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は29日、国内の2つの郡で最近、朝鮮労働党の内規に違反する重大事件が発生したことを受けて、党中央委員会第8期第30回書記局拡大会議が27日に開かれたと報じた。会議で発言した金正恩総書記は「地方の権力乱用者、官僚主義者」による「許しがたい特大型の犯罪事件」であるとして断罪したという。

同通信によれば、事件が発覚したのは南浦(ナムポ)市の温泉(オンチョン)郡と慈江道(チャガンド)の雩時(ウシ)郡。温泉郡では郡党委員会の幹部ら40人余りが規律に反して飲酒を伴う接待を受け、雩時郡では農業監察機関が、権限を悪用して人民の利益と財産を侵害したという。

拡大会議では温泉郡党委員会と雩時郡農業監察機関の解散、責任者らの処罰案が示された。その詳細は明らかにされていないが、相当な重罰が予想される。過去の例に基づくなら、処刑すらあり得るだろう。

(参考記事:北朝鮮の15歳少女「見せしめ強制体験」の生々しい場面

しかし、権力乱用による人民の財産侵害は言語道断だが、飲酒接待の件については、心の中で「ひとこと言いたい」と思っている人々が少なくないのではあるまいか。

金正恩氏の父である故金正日総書記が、「喜び組」を動員した秘密パーティーで乱痴気騒ぎをしていたのは有名だ。北朝鮮国内では秘密にされてきたが、海外から流入した情報に触れるなどして、すでに知っている人も少なくないだろう。

金正恩氏も、金星学院の女学生たちを秘密パーティーのコンパニオンとして動員していたという話がある。同氏の妻・李雪主(リ・ソルチュ)氏の母校としても知られる金星学院は、音楽家や舞踊家などを養成するエリート女学院で、海外のスポーツ大会に派遣される「美女応援団」のメンバーも大部分がここから選抜される。

(参考記事:美貌の北朝鮮ウェイトレス、ネットで人気爆発

米プロバスケットボールNBAの元スター選手であるデニス・ロッドマンが2013年と2014年に訪朝した際には、乱痴気騒ぎに動員された金星学院の学生たちが、陰に隠れて泣いていたとも聞く。

さらに、韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2016年、金正恩氏が毎週3、4回ずつ夜通しのパーティー(酒宴)を開き、不摂生な生活と食習慣のために健康不安を抱えていると報告していた。

温泉郡で発覚した不正がどれほどのものだったかはわからないが、厳しすぎる処罰は金正恩体制への反感を強めかねないだろう。

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