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「ロシアの軍隊と人民を支持」金正恩氏北朝鮮軍創立記念演説で

デイリーNKジャパン / 2025年2月10日 11時0分

金正恩氏が北朝鮮軍創建77周年に際して国防省を記念訪問した(2025年2月9日付労働新聞)

北朝鮮の金正恩総書記 (国務委員長)が8日、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)創建77周年に際して国防省を記念訪問した。朝鮮中央通信が9日、伝えた。

北朝鮮軍は1948年2月8日の創設され、この日は「建軍節」とも呼ばれている。一方、金日成主席が1932年4月25日に満州で「朝鮮人民革命軍」を組織したとされ、この日は「朝鮮人民革命軍創建日」とされている。

金正恩氏は昨年はジュエ氏と訪れたが、今年は不在だった。努光鉄(ノ・グァンチョル)、鄭京擇(チョン・ギョンテク)、李永吉(リ・ヨンギル)らが金正恩総氏を出迎えた。金正恩氏は儀仗隊長の迎接報告を受け、儀仗隊と栄光の陸・海・空軍軍旗を査閲し、儀仗隊の分列行進が行われた。

金正恩氏が演説を行い、「米・日・韓3国軍事同盟体制とそれを基軸とするアジア版NATOの形成は、朝鮮半島と北東アジア地域における軍事的不均衡を招き、新しい激突構図をつくる根本要因として作用しており、わが国家の安全環境に重大な挑戦をもたらしている」と強調した。

また、「3年間持続しているウクライナの悲劇的な状況をあおり立てる戦争機械の幕裏の中心には、一極覇権樹立の野望に惑わされて世界の平和と安定の破壊者というレッテルが常時貼られている米国という実体がある」としながら、「わが軍と人民は朝ロ間の包括的戦略パートナーシップに関する条約の精神に即して、自国の主権と安全、領土保全を守るためのロシアの軍隊と人民の正義の偉業を変わることなく支持・声援するであろう」と明らかにした。

さらに、「核力量を含む全ての抑止力を加速的に強化するための一連の新しい計画事業」について言及しながら「核戦力を一層高度化していく確固たる方針」を改めて強調した。

同通信の報道全文は次のとおり。

敬愛する金正恩総書記が朝鮮人民軍創建節に際して国防省を祝賀訪問

【平壌2月9日発朝鮮中央通信】尊厳ある朝鮮労働党の姿を栄光の軍旗に映し出し、わが国家の主権と安全をしっかりと守り、愛する人民の安寧と幸福を守る聖なる使命に常に忠実であった英雄的朝鮮人民軍はこんにち、建軍史にもう一つの勝利と奇跡の年輪を刻みながら不滅の名声とともに誇らしいその創建77周年を意義深く迎えている。

偉大なわが党のために、偉大なわが国家のために、偉大なわが人民のために、まさにこの信条、この信念を高鳴る胸ごとに固く刻み付け、ひたすらその道に最大の栄光と栄誉を求める特有の革命観と徹底した愛国精神、無比の英雄主義と献身的奉仕で祖国と革命の目覚ましい上昇一路を開拓していく百戦百勝の最精鋭隊伍である朝鮮人民軍は、わが党と人民の最強の力、またとない誇りとなっている。

朝鮮労働党総書記で朝鮮民主主義人民共和国国務委員長である敬愛する金正恩同志が2月8日、朝鮮人民軍創建77周年に際して朝鮮民主主義人民共和国国防省を祝賀訪問して将兵を鼓舞、激励した。

最も固い信頼と恩情でわが人民軍を時代の最先頭で変わりなく輝くたくましい勇将の大部隊に育て上げ、連綿たる勝利と栄光へ導く偉大な天下の総帥を意義深い建軍節に共和国武力の最高指揮機関に迎えるようになった限りない感激と歓喜で全ての参加者の胸は激しく高鳴っていた。

朝鮮人民軍の各軍種および軍団、各級連合部隊・部隊の名誉の象徴である勝利の軍旗が栄光の時刻を待って厳かに立ち並んでいた。

金正恩総書記が国防省に到着すると、人民軍将兵は卓越した軍建設思想と無比の用兵術で革命武力強化の最盛期を開き、わが人民軍の貴い名を勝利と栄光の壇上で誉れ高く輝かす百戦百勝の鋼鉄の総帥を仰いで嵐のような「万歳!」の喚声を上げた。

国家元首を迎接する儀式が厳かに行われた。

金正恩総書記は、朝鮮人民軍儀仗隊長の迎接報告を受け、儀仗隊と栄光の陸・海・空軍軍旗を査閲した。

努光鉄、鄭京擇、李永吉の各氏をはじめとする国防省の主要指揮官と朝鮮人民軍大連合部隊の軍事・政治幹部が金正恩総書記を丁重に迎えた。

朝鮮人民軍儀仗隊の分列行進が行われた。

金正恩総書記は、国防省と朝鮮人民軍の各級軍事・政治指揮官に会い、建軍節を記念して意義深い演説を行った。

金正恩総書記は、百戦百勝によって不滅である栄光の軍旗を輝かしく翻しながら祖国の津々浦々の激動的な出来事と奇跡ごとに熱血の闘争史を誇り高く記していく朝鮮人民軍の英雄的気概と崇高な革命精神に熱い敬意を表し、革命の膨大な重任を担って貴い血と汗を惜しみなくささげている全軍の将官、将校、兵士に熱烈な祝賀と戦闘的あいさつを送った。

金正恩総書記は、党と領袖の軍隊という聖なる呼び名に常に忠実であり、特有の精神と高潔な精神をもって伝説的な勝利と奇跡の各年代を支えてきた朝鮮人民軍の偉大な名声と栄光を誉れ高く評価し、祖国の幸福と平安をしっかり守り、一層強大な未来を建設するために邁進しているわが軍の将兵の勲功と業績をたたえた。

金正恩総書記は、わが国家の周辺環境をはじめとする世界的な政治的・軍事的および地政学的構図変化の特徴を概括しながら、いかなる可変的な安全形勢にも主動的に対処できるように共和国武力の臨戦対応態勢を一層高度化することについて言及した。

朝鮮半島地域に常時展開されている米国の核戦略手段と実戦水準で行われる米国主導の二国間および多国間の核戦争模擬演習、米国の地域軍事ブロックシナリオに従って構築された米・日・韓3国軍事同盟体制とそれを基軸とするアジア版NATOの形成は、朝鮮半島と北東アジア地域における軍事的不均衡を招き、新しい激突構図をつくる根本要因として作用しており、わが国家の安全環境に重大な挑戦をもたらしていると強調した。

金正恩総書記は、力の優位を追求する者らにはただ、彼らだけが理解できる言語で語るのが正答であるとし、朝鮮民主主義人民共和国は地域情勢の不必要な緊張激化は望まないが、新たな戦争勃発を防ぎ、朝鮮半島地域の平和安全を保証しようとする志向から、地域の軍事的均衡保障のための持続的な対応策を講じるであろうと明らかにした。

昨年、世界の地政学的衝突と対決の舞台になってきたガザ地区とシリアをはじめとする中東危機とウクライナ問題が今年も、緊張した国際情勢の基本軸として流れるものと予想されるとし、世界の各地で米国がつくり上げた地政学的危機は、新たな世界大戦勃発の危険性をさらに増幅させ、国際平和と安全はもちろん、人類の各活動領域にも重大な影響を及ぼしていることについて指摘した。

金正恩総書記は、世人の大きな憂慮の中で3年間持続しているウクライナの悲劇的な状況をあおり立てる戦争機械の幕裏の中心には、一極覇権樹立の野望に惑わされて世界の平和と安定の破壊者というレッテルが常時貼られている米国という実体があるとし、ロシアに戦略的敗北を与えようとする実現不可能な妄想から戦争の長期化を意図的に助長させる米国と西側集団の無謀な行為に深刻な憂慮を示した。

国際正義を否定し、世界の平和と安全を害するいかなる行為にも反対・排撃するのは朝鮮民主主義人民共和国政府の不変の立場であるとし、わが軍と人民は朝ロ間の包括的戦略パートナーシップに関する条約の精神に即して、自国の主権と安全、領土保全を守るためのロシアの軍隊と人民の正義の偉業を変わることなく支持・声援するであろうと言明した。

金正恩総書記は、こんにち、世界の大小の紛争や流血惨禍の背後に決まって徘徊する米国の黒い影は、限界の知らない防衛力の建設を志向するわが党と政府の路線が最も正しいということを立証しているとし、われわれの革命的武装力は共和国憲法を守り、国家と人民を防衛するための自己の最高義務にいつも実践をもって忠実でなければならないと述べた。

金正恩総書記は、核力量を含む全ての抑止力を加速的に強化するための一連の新しい計画事業について言及し、核戦力を一層高度化していく確固たる方針を再び明らかにした。

金正恩総書記は、偉大なわが人民の誇りであり、わが国家の名声と力の象徴である朝鮮人民軍の将来はまさに指揮官たちに大きくかかっているとし、人民軍では何よりも政治・思想強兵化、道徳強兵化問題を一貫してとらえてよりしっかり具現し、ここで特に重要なのは、軍人たちを敵に対する正しい認識と断固たる対敵観念で武装した思想と信念の闘士に育て上げることだと強調した。

金正恩総書記は、人民軍の戦闘能力を最高度へと引き上げる原則に基づいて訓練革命の炎を強く燃え上がらせて今年を訓練の年になるようにすることと、戦争の準備を現代戦の要求に即してより徹底的に整える問題、鉄の規律と健全な軍紀を樹立するための強い闘争を展開する問題をはじめ、わが軍を無敵必勝の革命強兵に一層しっかり強化し発展させていく上で指針となる綱領的課題を示した。

金正恩総書記は、党と祖国と人民に限りなく忠実な英雄的朝鮮人民軍の栄光に輝く闘争史と偉勲は、無窮強大なわが国家の成長・発展の中でさらに激動的で崇高な伝記を記していくものと確信するとし、朝鮮民主主義人民共和国の尊厳と強大さのために、愛するわが人民の平安と幸福のために引き続き勇敢に闘っていこうと熱烈に呼び掛けた。

わが革命武力の輝かしい沿革を永遠なる百戦百勝と名誉へ導く雄大な軍建設方略が明示された偉大な総帥の貴い教示は、軍事・政治指揮官たちの胸を限りない激動で高鳴るようにした。

金正恩総書記が演説を終えると、熱烈な「万歳!」の歓呼の声が場内を震撼させた。

全ての指揮官は、偉大な金正恩総書記のために、偉大なわが国家の隆盛・繁栄のために、偉大なわが人民の幸福と安寧のために党の軍隊、領袖の軍隊、真の人民の軍隊の使命と本分にあくまで忠実であろうという鉄の信念と戦闘的熱狂に満ちていた。

金正恩総書記は、国防省訪問を記念して国防省の指揮官と直属区分隊の軍人、朝鮮人民軍の軍種および各級大連合部隊と管下連合部隊・部隊の軍事・政治指揮官と共に意義深い記念写真を撮った。

金正恩総書記が撮影場に姿を現すと、全ての参加者は、不滅の軍指導の足跡を絶え間なく印し、わが軍をいかなる強敵も思想的・精神的に、軍事技術的に圧勝する世界最強力の実体、国の富強・発展のためならいかなる任務も全て引き受けて勇敢に進む愛国の前衛隊にたくましく育て上げる偉大な総帥を仰いで最大の栄光と敬意をささげた。

金正恩総書記は、革命武力闘争史に特記すべき軍創建と戦勝の日は、たとえ歳月の流れとともに遠くなっても英雄朝鮮、自主強国の永遠なる勝利伝統の始原を開き、百戦必勝の伝統を富国強兵の布石に敷いてくれた革命烈士たちの精神と息吹を寸時たりとも忘れてはならないとし、われわれは時代とわが軍の名誉をかけて、前例と限界を超越する奇跡的武勲と驚異的な神話創造によってわが世代の堂々たる新しい歴史を誇り高く記していくべきだと述べた。

金正恩総書記は、わが軍の指揮官たちが偉大な開拓をより偉大な継承をもって輝かせていかなければならない重任を百倍に自覚し、世界で最も正義の偉業を武装をもって保証するという特有の自負心と強い自尊心、不屈の戦闘精神を発揮して党と革命を防衛し、領土と人民を死守する聖戦でいつも不滅の名声をとどろかせていくものとの期待と確信を表明した。

偉大な党に従って祖国の歴史に金星の偉勲を記してきた朝鮮人民軍の英雄的な歴史と伝統をわれわれの世代の貴い軍功をもって変わることなく輝かせていくという固い盟約を盛り込んで全ての参加者が上げる「金正恩」「決死擁護」の喚声が2月の空に限りなくこだました。

敬愛する金正恩総書記が国防省に印した指導の足跡は、朝鮮民主主義人民共和国の百戦必勝を武装をもってしっかり保証し、熱烈な開拓精神と不屈の気概をもって全面的国家興隆のための全人民的大進軍を強力に牽引していくべきわが革命武力の崇高な使命感をより深く刻み付けた偉大な歩みとして歴史に末永く伝わるであろう。---

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