10人以上を処刑…金正恩の残酷ショーに国民反発「いい加減にしてくれ」
デイリーNKジャパン / 2025年2月12日 5時2分
北朝鮮国営の朝鮮中央通信は先月29日、国内の2つの郡で最近、朝鮮労働党の内規に違反する重大事件が発生したことを受けて、党中央委員会第8期第30回書記局拡大会議が27日に開かれたと報じた。会議で発言した金正恩総書記は「地方の権力乱用者、官僚主義者」による「許しがたい特大型の犯罪事件」であると断罪した。
同通信によれば、事件が発覚したのは南浦(ナムポ)市の温泉(オンチョン)郡と慈江道(チャガンド)の雩時(ウシ)郡。温泉郡では郡党委員会の幹部ら40人余りが規律に反して飲酒を伴う接待を受け、雩時郡では農業監察機関が、権限を悪用して人民の利益と財産を侵害したという。
デイリーNKの現地情報筋によると、このうち雩時郡では拡大会議から間もなく、農業監察員や安全部長(警察署長)ら10人余りが、住民らの前で公開処刑されたという。金正恩氏による断罪が、実質的な死刑判決となった形だ。
(参考記事:北朝鮮の15歳少女「見せしめ強制体験」の生々しい場面)
雩時郡では昨秋、「軍糧米を無条件で確保せよ」という党からの厳命を受けて、農業監察機関などが農民らの自宅などを徹底的に捜索した。農民としては、言われるままコメを供出していたのでは餓死してしまうから、いくらかの量を隠し持っているのが常なのだ。
監察員らは、そうしたコメを書き集めても足りないと見るや、家畜や家財道具まで没収したという。これに対して住民から「あまりにひどい」と怨嗟の声が上がり、それが中央に伝わったことで今回の流れになったようだ。
ただ、家畜や家財道具まで没収する例は珍しいにせよ、当局が力ずくで軍糧米を徴発していくのはよくあることだ。つまり今回の処刑は、金正恩氏が「人民を大事にしている」ことをアピールするためのショーだったわけだ。
(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為)
それを見抜いている人々からは、次のように反発の声が上がっていると、情報筋は伝えている。
「新しくもない問題で何を騒ぎ立てているのか」
「党の指示を貫徹しようとしたのに、不運にも犬死しただけだ」
「足りない軍糧米の強奪を、今後はしないというのだろうか」
「人殺しはいい加減やめて、根本的な対策を立てて欲しい」
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