ビジネス書なのに泣ける!! 「ありがとう」と言われる会社の成功の理由とは? 「心にグッときて」「理解を深められる」一冊

ダ・ヴィンチニュース / 2016年12月8日 6時30分

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『「ありがとう」と言われる会社の心動かす物語』(三枝理枝子/日本経済新聞出版社)

「まさかビジネス書を読んで泣くことになるとは……」。やっぱり「実話」はすごくいい。加えて、超有名企業の「お客様から選ばれる秘訣」を学ぶこともできるとは、なんともお得。読んでよかった。出会えてよかった。そんな一冊が『「ありがとう」と言われる会社の心動かす物語』(三枝理枝子/日本経済新聞出版社)だ。

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 本書は大企業のサービスの現場で日々生まれている感動の実話を紹介しつつ、なぜそこに感動が生まれたのか、「ありがとう」と言われるための「顧客満足」や「おもてなしの心」がそなわった組織になるための「風土づくり」について解説しているビジネス書だ。

 著者は元CA。現在は「接点強化」(顧客や、上司・部下間)のスペシャリストとして活躍しつつ、企業の業績を「仕組み」で向上させるCSコンサルタントとして、サービス業に従事。また、様々な企業の組織変革を支援している。著書にはシリーズ16万部を突破した『空の上で本当にあった心温まる物語』(あさ出版)がある。

 さて、本書の一番のオススメポイントは「泣ける」と共に、しっかり「経営学」を学べること。つまり「お客様に選ばれ続ける企業は、どんなサービスをしているのか」を、物語を通して「体感できる」ことが、何よりの強みである。

 変化に柔軟に対応し、サービスで勝負をしている企業には、三つの「軸」があるという。

・サービスコンセプトが明確で、会社全体で価値観の共有ができている。
・基本動作が徹底できている。
・サービスの高度化が仕組み化しており、日々のマネジメントにサービスの指標がしっかり落とし込まれ運用されている。

 と、いうことらしいが、これだけ言われても(分かりやすいけれど)、「じゃあ、実際にどういう行動を起こせばいいの?」と悩むこともあるだろう。そこで本書にはサービスの現場で実際にあった「実話」がショートショートの小説のように、25編収録されている。そのエピソードの後に、「この会社で顧客を満足させるために取り組んでいる組織の仕組み」という「客観的なデータ」を載せ、さらに著者の視点を通した「マネのできるポイント」が書かれている。

「実話」と、「組織の情報」、そしてCSコンサルタントの著者の「考え」……この三つの段階を踏むことで、他のどんなビジネス書よりも、「心にグッときて」「理解を深められる」一冊になっているのだ。

 ちなみに、掲載企業は多岐の業種にわたっている。老舗旅館の加賀屋、ANA、三越伊勢丹、コクヨ、資生堂、カルビー、TOTO、NTT東日本、プルデンシャル生命保険、三菱日立パワーシステムズ、日本通運、キリンビール、日本郵便、東急不動産、日本IBM、アサヒビール、KDDI、メットライフ生命保険、ホテルニューグランド……誰もが知っている大企業もあれば、法人向けのため個人にはあまり知られていない企業などもあるが、真にお客様から支持を得ている「サービス」を、様々な業界から学べるようになっている。「この業種向け」という制約がないのも、本書の魅力だろう。

 個人的に「絶対読んでほしい!」泣けたエピソードはNTT東日本の「声よ、届け」。プルデンシャル生命保険の「母のひそかな想い」、日本通運の「独りぼっちの引越し」、メットライフ生命保険の「良かれと思った提案で」だろうか。

 人生には、喜ばしい節目と、そうではない、愛着のある場所、家族との別れといった、つらい節目があると思う。人それぞれ迎える様々な「節目」に、一人の「会社員」が立ち会ったとき、何を想い、どう行動したのか。それが読者を感動に誘ってくれるのだ。

「サービス向上」に興味関心を持ち、ビジネス書として読むのはもちろんのこと、「泣ける短編小説ないかな」と探している人にもおススメだ。実話だからこそ、小説にはない「本当の」感動が本書にはある。

文=雨野裾

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