嫌われ者が可愛く思える!? 『カラスの教科書』

ダ・ヴィンチニュース / 2013年4月27日 7時20分

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『カラスの教科書』(松原 始/雷鳥社)

 朝、ゴミ置き場を見ると、さっそく生ゴミが散乱している。犯人は言わずと知れたカラスである。近づいても容易に逃げない、完全にこちらをなめ切ったふてぶてしい態度。散らかすだけ散らかしておいて、愛嬌も何もないその黒々とした姿。これらが人々に嫌われる理由だろう。彼らをなんとか排除できないものだろうか。

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 そんななか、カラスをこよなく愛する人だっている。動物行動学を専門とし、カラスの行動と進化の研究に没頭する松原始氏である。著作『カラスの教科書』(雷鳥社)は、氏のカラス愛で満ち溢れている。カラスの生態はもちろん、世界で言い伝えられているカラス伝説、カラスについてのマニアックなQ&Aなどを、氏自身が描くかわいらしい「カラスくん」のイラストとともに面白おかしく著述する。本書の中の「カラスの取り扱い説明書」=「トリセツ(鳥説)」から、カラスをうまく対処する方法を探ってみよう。

 夕方になると空を黒々と覆い尽くすカラスだが、トリセツによると、ほかの生物と同様にそれほど繁殖力が強いものでないらしい。カラスが育つ過程にはいくつかの試練があり、やはり雛のときは、巣を観察していると何の前触れもなく1羽2羽と減っていくそう。大雨のあとに巣をのぞくと、ズブ濡れの雛が1羽しか見つからなかったという。

 運よく巣立つことができたとしても、独立して生きていけるとも限らない。京都市の円山公園にいるカラスの群れの中に、羽がボロボロで体が小さく、やたら愛想良くエサをねだるカラスがいたそうだ。人を見るとだーっと走ってやって来る。風邪を引き、目を半ば閉じて時々「きゅっ」とクシャミをする様子がいかにも哀れだったという。

 カラスもそう楽ではない。日々必死に生きているのだ。

 とはいえ、いくら必死でも、毎朝ゴミ置き場を荒らされていては、「カラスも一生懸命生きてるんだな」などといちいち思うはずがない。

 そもそもゴミ置き場とは、雑食性のカラスにとってうまそうな死骸がゴロゴロしている場所だと、トリセツでは述べられている。死骸を見つければ喜んで食べるカラスにとって、ゴミ袋とは「皮に包まれた肉」も同然なのだそう。

 そんなごちそうを目の前にして、今日明日を命がけで生きるカラスたちがただ黙って指をくわえて見ているはずがない。ならば、どうすればゴミ置き場の安全を確保することができるのか?

 「カラス避け」を謳う商品をよく見かけるが、カラスっぽいものをぶら下げて怖がらせてみたり、光モノで追い払うものが多い。これらは使えないのだろうか?

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