『聖☆おにいさん』に続け!? ユル~い主人公たちが大人気

ダ・ヴィンチニュース / 2013年5月11日 7時20分

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『聖☆おにいさん』(中村 光/講談社)

 ブッダとイエスが立川の風呂なしアパートでルームシェア!? “最聖”コンビのユル~い下界生活を描いたギャグマンガ『聖(セイント)☆おにいさん』がついに劇場映画化される。単行本の累計発行部数は1000万部を突破というこのコミックの映画化を記念して『ダ・ヴィンチ』6月号では『聖☆おにいさん』とそれに続く気ままライフを満喫する主人公を描いたマンガを特集している。

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 本来否定的な言葉である “ユルい”。それが肯定的に使われ始めて久しい。21世紀、お金や社会的地位にはかつての輝きはなく、理想はむしろマイペースで自由な生活。そんな世相が、“ユルい”の価値変化に表れているのだろう。

 そこで注目されるのが気ままなライフスタイルであり、マンガ界でもこのジャンルが裾野を広げている。『聖☆おにいさん』がその筆頭。また近年は、女性を主人公にした作品も増えている。その好例が『34歳無職さん』と『東京おんな一人飯』だ。

 『公園兄弟』は、公園の池に住むという気ままにもほどがある設定。とにかくギャグセンスが素晴らしく、想像を超えたボケとツッコミの応酬を、ぜひ楽しんでほしい。

 気ままライフマンガの面白さとは、日常の動作ひとつひとつの積み重ねにある。出来事ではなく、動作と呼ぶにふさわしいシンプルなもの。『34歳無職さん』の主人公は、夜静かに林檎の皮を剥き、風邪をひけばきちんと体の汗を拭く。

 慌ただしさに紛れ、私たちは日々の動作をおろそかにしがちだ。そこに改めて光を当てた気ままライフマンガを、私たちは羨ましく、また愛おしく感じる。シンプルな動作が積み重なった丁寧な暮らし。その実践にこそ自分らしさを見つけられるのではないか。私たちはそう感じているように思う。

■『34歳無職さん』(1~2巻) いけだたかし メディアファクトリー フラッパーC
34歳、無職。思うところあって1年間は何もしないと決めた彼女。仕事も家庭も離れて一人暮らし。心地よい昼寝、新しい掃除機に一喜一憂、夜の街に銀河鉄道を想う。穏やかな毎日だけど、少し後ろめたさも感じたり。人生の休日にある無職さんの日常の風景! 

■『公園兄弟』 ルノアール兄弟 小学館ビッグC 
職もお金もない23歳の心平。腹違いの兄・もっさんのもとに身を寄せるが、彼は公園の池に浮かぶ屋形船に住むホームレスだった! 早く頑張りたくなりたい……(心平談)。最底辺だが幸せな兄弟。想像の斜め上をいく笑いが押し寄せる、新感覚ギャグマンガ!

■『東京おんな一人飯』 日高トラ子 角川書店
コース料理で女子会ランチ――売れないマンガ家のトラ子にそんな余裕はない。テーマは早い安い美味い!? 女だって関係ない、一人飯に舌鼓を打つのだ。串八珍の肉厚とんかつ定食に自民党食堂のカレー。スマートに一人飯できるテクニック満載の傑作エッセイ!


構成・文=松井美緒
(『ダ・ヴィンチ』6月号「コミックダ・ヴィンチ」より)

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