雑誌みたいにサラッと読める! 大人が楽しめる図鑑がブーム

ダ・ヴィンチニュース / 2013年5月15日 11時40分

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『すし図鑑』(ぼうずコンニャク 藤原昌高/マイナビ)

 図鑑と言えば、ゆくゆくは学者になりそうな賢い少年が読むもの、といったイメージをお持ちの方もいるのではないだろうか? アニメ『ちびまる子ちゃん』に登場する長山君といったところだ。それはともかく、以前は「何かを調べる」ときに使うものだった。しかし、少し前からその常識(?)を覆すような図鑑が人気を集めている。

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 2011年には『おじさん図鑑』(なかむらるみ/小学館)、2012年には『美坊主図鑑』(日本美坊主愛好会/廣済堂出版)、『文学少女図鑑』(萩原 收/アストラ)と、一般人をクローズアップした図鑑が話題にのぼっていたが、今年出ているのはモノ系図鑑。

 まずご紹介するのは、『すし図鑑』(マイナビ)。著者であるぼうずコンニャク 藤原昌高さんは、すしダネを撮り続けて15年以上という強者で、撮りためた画像は数万点にも及ぶという。同書では、その中から一般的な321貫を厳選している。すしダネのほか、魚や貝の写真も掲載されており、紹介文にはその味の特徴や名産地、名前の由来、歴史がとてもわかりやすく記述されている。また、それぞれに「超高」「高」「並」「安」というアイコンが付けられているので、時価で出されるため値段表記がない店でも、この本を一緒に持っていけば安心だ。

 ほかにも、奈良時代以前に東南アジアから伝来したという「すしの歴史」や、高級店から回転ずしまで店の形状を解説した「すし店の形」などのコラムがあり、ちょっとした話のネタになりそうでおもしろい。「読んで楽しむ」雑誌のような感覚で、「すし」を学べる図鑑である。

 『愛しのインチキ・ガチャガチャ大全―コスモスのすべて―』(池田浩明:著、ワッキー貝山:編/双葉社)も、一風変わった図鑑の一種かもしれない。70~80年代に幼少時代を過ごした人であれば、おそらく一度は手にしたことがあるであろう、「コスモス」のガチャガチャに焦点を絞ったものだ。その時代、他のメーカーに比べ、真っ赤で大きな機械で、何が出てくるのかわからないスリルに子どもは大ハマリ。コスモスの真っ赤な営業車が通ると、「新作が入る!」と子どもたちは急いで駆け出したという。

 同書には、仙台のローカルタレント・ワッキー貝山さんが集めたコスモスのガチャガチャ約1000点という圧巻の数を掲載。ビックリマンシールやキン肉マン消しゴム、…流行りのモノはパクり、コピーをし、なかにはめんこと書かれた牛乳瓶のフタまで、それを商品にするという潔さたるや堂々たる風格だ。

 そして巻末には、一大ブームを巻き起こした当時のコスモス元社員へのインタビューもあり、その無茶苦茶な実態がうかがえる。しかし、その突飛な発想があってこそ、一大ブームを巻き起こせたのだろう。子どものころは捨てていたハズレでも、ここまで並べられるとなぜか懐かしく温かな気持ちになってしまうから不思議である。

 眺めているだけで楽しくなってしまう近頃の図鑑は、柔らかく軽い「読み物」。堅苦しく小難しい…というイメージが、払しょくされつつある。次はどんな図鑑が登場するのか、楽しみだ。

文=廣野順子(Office Ti+)
(ダ・ヴィンチ電子ナビより)

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