ホールインワンする確率はどのくらい? ゴルフをめぐる“深遠”な話

ダ・ヴィンチニュース / 2013年5月17日 11時40分

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『GOLFという病に効く薬はない』(黒鉄ヒロシ/幻冬舎)

 暑くもなく寒くもない初夏は、ゴルフにうってつけの季節だ。ちなみに5月24日は1903年に日本初のゴルフ場がオープンしたことから「ゴルフ場記念日」、5月28日は1927年に第1回全日本オープンゴルフ選手権大会が開催されたことから「ゴルフ記念日」とされているそうで、この季節は日本のゴルフの歴史に深い関わりがあるといっていいだろう。

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 そのゴルフ、たった1打でカップインしてしまうのが「ホールインワン」だ。日本ではホールインワンをすると、ホールインワンした人が祝賀会を開いたり、キャディさんにチップを払ったり、ゴルフ場に植樹をしたりするというなんとも理解しがたい習慣があり、その支払いのための保険まであるんだそうだ。

 では人生でホールインワンをする確率というのは、いったいどれくらいなのだろうか? 漫画家の黒鉄ヒロシ氏が、ゴルフに関する知識や歴史、その起源などを、膨大な資料に当たり、丁寧に調べ、まとめあげた漫画『GOLFという病に効く薬はない』(幻冬舎)には、ホールインワンの魅力にとりつかれ、様々な研究・分析を行った「A・ベル」について描かれている。

 ベルの研究によると、ホールインワンの最も出やすい距離は130~140ヤードのショートホール、季節は1位が6月、2位8月、3位11月で、気候は薄曇りの無風、時間帯は午前:午後=20:80という比率だという。そしてなんとホールインワン全体の約3割がミスショットで達成しているというのだ。そして肝心のホールインワンの確率だが、ショートホールをチャンス1とすると、男子プロや男子トップアマの確率は1/3700、女子プロと女子トップアマが1/4660、そして一般ゴルファーに至ってはなんとなんと1/43000、これは1ラウンドに4つショートホールがあるとして、10750ラウンドしてやっと1回という奇跡的な確率だ。そりゃなかなかないワケですね。ちなみにホールインワンとは、もともと「HOLE MADE IN ONE STROKE」と呼ばれていたものが縮まったものなんだそうだ。

 長い棒で球を打ち、なるべく少ない打数で穴へ入れる……なぜこんな単純なスポーツが人々を魅了するのだろうか? その理由を、黒鉄氏は「ゴルフは病」であり「ゴルフはヒトの考え得る限りの苦が準備されている」ので「自分に合った処方箋は自分自身で見つけるしかない」という。それは本書に登場する人たちを読めば理解できるだろう。新たな道具作りに勤しむ人、驚異の集中力を発揮するプレイヤー、そして作者の黒鉄氏も含め、各人各様な「病」を抱えているのだ。しかもみんなそれを楽しんでいる、というのがイイ。普段は朝早く起きるのが苦痛だが、ゴルフの日はパッチリ目が覚める、という人は立派な「ゴルフ病患者」といっていいだろう。

 本書にはヘッドカバーを最初に作ったのは日本人だったという衝撃の事実や、ゴルフクラブの低重心はケチな人の考えから始まったこと、ルールを巡る米英のつばぜり合いや、クラブの本数が14本になるまでのすったもんだなど、病に冒されているゴルファーならば「へー!」と楽しめる内容が目白押しだ。

 最後にホールインワンに話を戻すが、世界一多くホールインワンを達成した人はノーマン・マンリーという人だそうで、なんとその回数は59回! しかもそれは幸運や偶然ではなく、毎回正確に狙って入れていたのだというから驚きだ。それにしてもこの人、日本に住んでなくて良かったですねぇ。

文=成田全(ナリタタモツ)
(ダ・ヴィンチ電子ナビより)

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